梅雨が明ければ、うだるような暑さがやって来る。猛暑が当たり前のようになり、熱中症警戒アラートが連日発令されるが、そんな日に昼間に釣りに行くのは釣りをしない人から見れば正気の沙汰ではない。そう、日中はとても暑くて釣りどころではない。この季節こそ、日が沈んでからが本番なのだ。今回のテーマは夜釣り。涼しく快適に、おいしい魚を釣ろうではないか。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
夜釣りのメリット
日中の温度が35度を超えると、猛暑日というらしい。毎年のように熱中症にかかる人があちこちで発生し、救急車も大忙しになるのが梅雨明けからだ。こんな季節は涼しい夜釣りに限る。気温は30度を下回り、昼間は刺すような熱風も頬をなでる優しい涼風に変わる。夜釣りの最大のメリットは、「涼しく釣りができる」。これに限る。
また海の中も日中とは様子が一変する。食い渋っていた魚たちは、夕マヅメを境に一気に食欲が増し、活発にエサを追うようになる。そう、単純に魚を釣りやすくなるというメリットもあるのだ。根魚はその典型で、カサゴ類などは昼間ならアタリすらなかったポイントでも、活発にサオを曲げてくれる。
夜釣りならではのターゲットもいる。ウナギやアナゴ、タチウオなどがそうだ。夕マヅメの時合いにしか釣れないパターンも多いが、主に夜行性の彼らは夜になれば巣穴からはい出し、エサを求めて徘徊する。
ターゲット
この時期のターゲットとして、最も手軽に釣れるのがアジだろう。日中は豆アジしか釣れないポイントでも、夜になれば20cm超の良型が回遊することもある。
そして前述のアナゴやウナギなどの長モノ。特にウナギは今がハイシーズンとなり、スーパーで買えばウン千円もするが釣れば食べ放題なのだ。
タチウオは回遊次第だが、例年この時期は伊勢湾奥に新子が接岸し、ルアーやエサ釣りで釣れ盛る。今年はまだ接岸の報は聞いていないが、ひとたび釣れ始めればテクニカルな釣りが楽しめる。
そして根魚類。湾奥エリアのカサゴやタケノコメバルはもちろんだが、今回取り上げるのは幻の魚クエ。典型的な夜行性のハタ類で、誰もが知る高級魚だ。ただしここで取り上げるのは、堤防など陸っぱりから狙う小型のもの。大きくても40cmまでだが、小さくてもクエ、そのパワーはなかなかのものだ。
アジの狙い方
アジといえばサビキ釣りが一般的。もちろん夜のサビキ釣りでも十分釣れるし、数を狙うなら一番有効な釣り方だ。ただそれでは面白くないので、今回紹介するのはノベザオを使った一本釣りだ。サオは4.5~5.4mの渓流ザオやヘラザオを使う。
ミチイトは1~1.2号をサオいっぱいより短めに取り、ウキゴムを通した後に極小サルカンを結ぶ。ハリスは0.6~0.8号を60~80cmほど。ハリはアジバリ6~8号を使い分ける。ウキは夜でも見やすい白を基調とした棒ウキを使う。
ポイントは漁港周りなら、港内に設置してある常夜灯周りがイチオシ。海中をよく見てアジらしき魚影が見えたら、取りあえずサオを出してみよう。エサは大粒のアミエビ(サシアミ)か小さめのオキアミ。
この釣りはサビキ同様まきエサも有効だ。アミエビをヒシャクでパラパラまいて、魚が集まってくればしめたもの。季節的にネンブツダイや小サバなどの外道も集まってくるが、アジにも効果てきめんだ。
ウキ釣りが基本だが、重要なのはウキ下。浅いポイントならウキ下はさほど気にしなくていいが、少し深めであればアタリがなければ、20cm単位で浅くしたり深くしたりしてみよう。
アナゴ&ウナギの狙い方
アナゴもウナギも、基本的なタックルや狙い方は同じだ。ただウナギを河川内で狙う場合、流れが速いことがあるので、そんなときは重めのオモリや流されにくいスパイクオモリを使う。
他に違う点はハリ。アナゴの場合は、少し小さめで丸セイゴ9~10号。ウナギは同じ丸セイゴの13号前後。これは単純にウナギの方が、体も口も大きいから。
釣り方は基本的にブッコミ釣りなので、2.4~3mの万能ザオやシーバスロッドに、小~中型スピニングリール。ミチイトはPEラインなら1.5号前後、ナイロンラインなら3号前後で、オタフクオモリ10~30号を通し、ウキゴムを介した後、サルカンを結んでハリス3~4号を20~30cmほど取る。いたってシンプルな仕掛けだ。
エサはウナギ狙いならミミズ、アナゴならアオイソメかサバ、サンマの切り身。どちらも入手しやすいが、ミミズは自前で堀ったものの方が断然食いがいい。
いわゆるぶっといドバミミズだが、土の中ではなく枯れ葉などをかき分けてみると、すぐに見つかる。ミミズのポイントは主に神社や少し古い公園、普段は水が流れていない側溝など。ミミズ採集時は蚊の猛攻に遭いやすいので、ご注意を。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>