状況にアジャストできずやや失速
エサ打ちを重ねていくと、いよいよヘラブナが水面にわいてきた。ヘラブナが寄ってきたことで、仕掛けが魚にピンポンされてしまってウキが落ち着かない。おそらくエサは落下途中で落ちてしまっているだろう。
そこでエサ持ちを良くするために、試行錯誤をしていく。エサを練ってみたり、エサ持ちの良いエサを追加したり、ウキとオモリを大きくして魚がわいている層を早く通過させようとしたり。
手は尽くしたもののうまく調整しきれず、数匹追加したところでいよいよ釣れなくなってきた。
魚は水面にたくさんわいてきて、エサを打てば魚がわっと集まってくる。しかしハリの付いたエサをなかなか食ってくれないのだ。そんな状況になすすべもなく、いったん頭を冷やそうと昼食休憩を挟む。
食い渋りに強いとされるウドンセットで
お昼を食べながら落ち着いて状況を整理してみる。夏で魚がたくさんわいている。しかし人も多く、魚が警戒して食い渋りの状況になっていると予想。ということはダンゴの時合いではないのかもしれない。
そこで食い渋りの状況でも、ある程度安定した釣果を出せるウドンセットで午後は勝負する。仕掛けはウキを凱の彩羽、浅ダナウドンセット(ボディ寸5.5cm)に変更して、上ハリスはナイロン0.6号7cm、下ハリスはナイロン0.4号28cmとした。ハリは上下ともにはりよしの丸袖スレで上バリは9号、下バリは5号。
今回私が使っているはりよしのハリは、9号で他社の7号相当。5号で3号相当の大きさとなるので参考にされたい。エサは食わせに力玉ハードⅡ。
バラケは粒戦50㏄、粒戦細粒50㏄に水を150㏄入れて5分ほど放置。吸水させたらヤグラを200㏄、セット専用バラケを100㏄入れてかき混ぜる。エサの準備が完了して、いよいよ午後からの釣りスタートだ。
メーターウドンセットで大物連発
メーターウドンセットに期待を込めてエサ打ちをしていくと、数投でウキが受けるような動きが出てくれる。ヘラブナがまだ辺りをうろついていたようだ。そろそろくるかと集中してウキの動きを見つめる。
ここでバラケがぶら下がって落ち着いたタイミングで、チャッ!とウキが入るアタリが出てくれた。
すかさずアワせると、魚は掛かっているはずなのに、暴れるでもなく悠々(ゆうゆう)と水の中を泳いでいる感じ。「あれっ」と思いつつ、さらにサオを曲げてテンションをかけると、大物が突如として牙をむいた。
一気に沖や左右に走り回り、ゴンゴンと強く首を振る。活性が高い夏のヘラブナ、しかも大物ともなれば、その引きはものすごく強い。無理なやり取りは極力控えて、サオに仕事をさせるようにやり取りしていく。相手も余力十分でサオを絞っているが、テンションさえ緩めなければ外れないはず。慌てず持久戦に持ち込んでいく。
桟橋の下に何度も突っ込まれそうになりながらもついに観念して、水面に口を開けて浮いてきた。これは大きい。午後の1匹目は、計測の結果41cmという大物だった。
気分を良くしてさらに追加を狙うと、今後は着水直後にウキが寝たまま一気に水面へ引きずり込まれた。食いっ走るアタリにサオを立てると、こちらも大暴れして釣られまいと抵抗する。
無理せずサオでいなしながらやり取りを楽しんで、取り込んだ1匹は先ほどと同サイズ。40cmのヘラブナで大物連発だ。
そこからは少し落ち着く時間帯はあったものの、ポツポツと追加して夏の元気いっぱいのヘラブナとのやり取りを楽しんだのだった。