道具や仕掛け
早朝から、日が高くなるまでの釣りなら、キスやハゼの場合、竿1本、リール1個、あとはクーラーに仕掛けやオモリ、エサ、保冷材や飲料水があれば釣行できる。
夜釣りは基本的に置き竿で釣ることが多いので、複数のタックルを使用するために、エサも昼の釣りのほぼ2倍くらいの量が必要である。仕掛けも昼の釣りとは別に太仕掛けのものを作る必要があるし、タモ網やライト、虫よけスプレーと、荷物の量も必然的に増えてしまう。
夜釣りに慣れているアングラーならいいが、エサ代をはじめとして釣行コストも結構かかる。さらに、昼釣りほど頻繁に魚信があるわけではないので、複数の竿を使ってキャスティングし、穂先ライトの動きを凝視するなど、昼の釣りと異なった集中力が要求される。
お気軽!夕涼みフィッシング
厳しい暑さを少しでもしのぎながら、それでもライト感覚でお気軽に釣行できないか、早朝の釣りも確かに魅力があるが、私のように早起きが苦手だったらどうするか?
また、アングラーの中には交代勤務をされている方もおられると思う。夜勤明けの朝の釣行は、さすがにキツイし、居眠り運転などの危険性も高い。
そこでおすすめなのが、夕涼みフィッシングである。日中は涼しいところで休息、日が少し傾き始めた時間帯から、日没前後までの限定で、チョイ投げや延べ竿の釣りを楽しむ。
暑さをしのぎやすくなるうえ、昼釣りのアングラーが帰り始める時間帯なので、比較的釣り場が空いてくるのもいい。夕まずめを狙うことになるので、プチ夜釣りの雰囲気も味わえる。
夕涼みフィッシングその1:キスチョイ投げ編
7月29日、紀北・田ノ浦漁港に釣行。暑さを避けて16:30ごろからチョイ投げ、エサにはイシゴカイを使った。
この時期はチャリコが非常に多く、6〜7cmのものが頻繁に針がかりしてくる。距離を少しずつ変えながら探るが、やはりチャリコの連、仕掛けを止めるとすぐチャリコが針がかりする状況だった。
本命のキス顔出し
そこでオモリが着底後、さびくスピードを通常よりかなり早くしてみる。冬場、キスがかかった後、慎重にリーリングして取り込むくらい速さでリールを巻き続けたところ、散発的にキスが来るようになった。
魚信の出方もチャリコとは微妙に違っている。また、チャリコは底を切って仕掛けを浮かせてしまうと比較的動きが鈍くなるが、キスはある程度の型ならリーリング中もより鋭角的に走る。チョイ投げだと錘も含めた仕掛け全体が軽いので、そのあたりの感触がなかなか面白い。
キスの潜む場所について
かなり狭い漁港のワンドの中であるが、キスが良くくるポイントがやはり存在する。写真は釣り座からワンドの方向を見たものであるが、この釣り場に入った時、私は対岸の護岸と、左手に見える船揚げ場の境目の方向を必ず探ってみる。この方向は、キスがくる確率が高い。
不思議に思って対岸周辺を歩いてみると、船揚げ場の脇に、小さな溝川の流れ込みがあることがわかった。当日もこの方向でキスがきた。水温の状態や、底が周辺とは微妙に違っているのだと思う。
最終釣果
この日は、チャリコの猛襲のなかで19:30まで釣り、キス17cmまでを7匹、他ベラ、チャリコ、ハゼと多彩な釣果だった。秋口になれば小型ながらカワハギも混じり、独特の魚信で楽しませてくれるポイントである。
田ノ浦漁港