運転中に突然ドライバーが意識を失ったり体調不良になったりしたとき、同乗者はどのような方法でクルマを止めればよいのでしょうか。今回は、運転者が意識を失ったり体調不良によって体の力が抜けてクルマが動き出してしまったりしたときのクルマの止め方を紹介します。
いざというときのために覚えておきたい同乗者がクルマを止める方法
運転中のドライバーが突然意識を失ったり、体調不良になったりしてしまい、クルマを止めなければならない状況になったときは、次の手順でクルマを止めます。
1.ギアをニュートラル(N)にする
2.パーキングブレーキを引いて停止させる
【クルマを緊急停止させるときの注意点】
※パーキングブレーキを手で引くタイプの場合は一気に引き上げないよう注意してください。一気にパーキングブレーキを引き上げると急ブレーキがかかりクルマがスリップしてしまうことがあります。
※電動パーキングブレーキの場合はパーキングブレーキのレバーを引き続けるとブレーキがかかる場合が多いです。ただし、この方法で必ず止まるというわけではないため、取扱説明書でパーキングブレーキの取り扱い方法を事前に確認してください。
緊急時にクルマを止めるときは、このような手順と方法でクルマを止めます。
「あっ!」というときに役立った緊急停止の話
筆者は、教習指導員の資格を保有しているため、友人から「運転を教えてほしい」とお願いされることがあります。以前、友人の同乗指導をしたときに「緊急停止方法を覚えておいてよかった」と感じたことがありました。
この話は、交差点を右折するために、信号が変わったタイミングで交差点内まで進んで右折待ちをしていたときのことです。右折した先の交通状況や自転車・歩行者ばかり気にしていた友人は、速度を上げて交差点に向かってきている対向車に気づかずブレーキペダルを緩めてしまいました。
このとき、そのまま進んだら右折中に対向車が交差点まで来てしまうことがわかった筆者は、電動パーキングブレーキを引き続け、クルマを緊急停止。右折し始める前にクルマを止めることができ追突事故を防ぎました。
この話は、運転指導中の話ですが、運転者が右折待ちや信号待ちしているときに突然意識を失い、ブレーキペダルが緩んでクルマが動き出してしまった場合に応用できる話です。