車載カーナビではなく「Googleマップ」や「Yahoo!カーナビ」などのマップアプリを、カーナビ代わりに使っている方は多いのでは? 一方で特にGoogleマップは「カーナビに特化したアプリではない」という弱点があり、カーナビアプリとして「完璧」とは言えないのも事実。そこでマップアプリとして、第三の選択肢になりえるのが2021年3月にリリースされたトヨタのカーナビアプリ「moviLink(モビリンク)」です。
今回は「moviLink」は「Googleマップ」を比較し、ルート案内画面の見た目の違いやルート探索機能の精度、渋滞情報の精度などを検証してみました。「moviLink(モビリンク)」はGoogleマップより優秀だと言えるのでしょうか?
トヨタの「moviLink(モビリンク)」と「Googleマップ」の違いは?
「moviLink(モビリンク)」と「Googleマップ」は、それぞれに独自の強みを持っています。ルート案内や検索、渋滞情報の精度などについて、それぞれどんな特徴を持つのか順に解説します。
ルート案内画面の見た目の違い
moviLinkは基本的には「カーナビ」に特化しています(※徒歩のルートの案内も可能です)。そのため運転中にも見やすいように、マップは「シンプル」な印象があります。Googleマップと比較すると、マップ上の施設名などの表示は必要最低限。代わりにわかりやすく表示されているのは駅名やICなどです。
一方、Googleマップは、地名や施設のアイコンなど多くの情報が表示されています。汎用地図アプリとして多機能である分、ドライブだけに特化しているというわけではなく「必ずしも万人にとってカーナビアプリとして使いやすいか」はなんとも言えないところです。
ルート検索
ナビに特化したmoviLinkは、車専用のルート検索で狭い道を避け、広い道路を優先して案内してくれる傾向が強いです。また「一般道優先」「おすすめ」「早さ優先」という三通りからルートを選べるため、「狭い道を案内されてもかまわないので早く着きたい」というような細かなニーズにも対応可能な仕様です。
一方、Googleマップは「早さ」を優先して狭い道を案内する傾向があります。また有料道路を除外せずにルート検索をすると、Googleマップ通りにルートを進むといつの間にか有料道路に案内されてしまう場合もあります。
また「目的地周辺の駐車場への案内」にも違いがあります。moviLinkは駐車場入口まで正確に案内してくれます。Googleマップは「駐車場ゲートの先」が目的地に設定されることがあります。つまり「Googleマップ上の目的地」と「実際の駐車場の入り口」が食い違っているケースがあるため「目的地には着いているのに駐車場入口がどこだかわからない」ということが起こるリスクがありそうです。
渋滞情報の精度
同日の同じころの時間帯に、首都高速のそれぞれの渋滞状況を首都高公式の情報と比較しました。
結論としてはmoviLink(モビリンク)とGoogleマップはどちらも渋滞情報精度が高いです。多少情報の差異はありますが、双方ともにおおよそ渋滞情報が一致しています。どちらの渋滞情報も十分に参考になり、渋滞情報を踏まえたうえでルートを検討して渋滞を回避できる精度はあると言えるでしょう。