「あれ、よく考えると今年に入って固定電話って、何回かしか使っていないな」という方もいるのでは。スマホがシニア層にも普及したいま、契約しっぱなしの固定電話の解約を検討している人も少なくないのではないでしょうか。
とはいえ実際に解約したときに困ったことがあったら嫌ですよね。この記事では、固定電話を解約した場合の節約額と、解約によって生じる不便な点について詳しくご紹介します。
固定電話を解約すると年間でどの程度のお金が浮くのか
まずは固定電話を解約すると年間でどのくらいのお金が浮くのか、アナログ回線の場合とソフトバンクが提供する「おうちのでんわ」の場合で見てみましょう。固定電話と言えばNTTというイメージが強いですが、固定電話にも新しいサービスが登場しており「どのサービスを使っているのか」で節約効果は違います。
アナログ回線の固定電話の場合
NTT東日本・西日本の加入電話(住宅用)の場合、月額基本料金は約1,760円~。これを年間で計算すると、21,120円もの金額になります。なおあくまで基本料金のみなので、通話料が上乗せされます。また1電話番号ごとに「ユニバーサルサービス料」「電話リレーサービス料」が請求されます。実際の固定電話の請求額はもっと高くなることが多いでしょう。
スマホを所有しており、なおかつ固定電話でも月額+通話料などを支払っている場合「電話代」だけでも月に5,000円以上1万円弱の水準の請求があるかもしれません。
「おうちのでんわ」の場合
固定電話を、ソフトバンクの「おうちのでんわ」のような割安のサービスに乗り換えている場合、月額料金はもう少し安くなります。とはいえ、やはり解約によって一定の節約効果が期待できます。
なおソフトバンクの「おうちのでんわ」とは、自宅の固定電話から既存の電話線を抜いた上で専用の「でんわユニット」と接続して使う新たな固定電話サービス。使用中の電話機も電話番号もそのまま使いつつ、月額料金をNTTよりも引き下げられるのが強みです。
「おうちのでんわ」の月額基本料金は1,078円(ソフトバンクユーザーの場合は550円)。年間で計算すると12,936円の節約となります。アナログ回線の固定電話ほどではありませんが、それでも無視できない金額でしょう。
固定電話を解約すると困ることはある?
固定電話を解約した場合の節約効果は、先にもご紹介した通り、一定程度見込めます。とはいえ固定電話を解約して困ることは本当にひとつもないのでしょうか? 固定電話を解約すると困ることの例をいくつかご紹介します。
FAXの利用が不便になるかも
固定電話回線を利用してFAXを送受信している場合、固定電話を解約するとFAXが使えなくなります。ビジネスでFAXを頻繁に利用している人にとっては、固定電話の解約は不便になる可能性があるでしょう。しかし、現在はインターネットFAXサービスもあり、固定電話がなくてもFAXの送受信が可能。
また、たまにFAXをする程度の場合はコンビニを利用するという手もあります。たとえばセブン-イレブンのマルチコピー機ではFAX機能も提供されています。
固定電話で登録している保険やサービスの連絡先変更の手間
固定電話番号を様々なサービスや役所、保険などの連絡先として登録している場合、解約後にそれらすべての連絡先を変更する必要があります。役所や保険会社から電話がかかってきても、すべてが繋がらない状況となるリスクがあるためです。
とはいえ長年使用してきた固定電話番号の場合、どこに登録しているかを把握するだけでも一苦労になるでしょう。「どこに電話番号を登録したのか覚えていない」ならば、たとえば先にもご紹介した「おうちのでんわ」のように固定電話料金を引き下げられるサービスへと、NTTから乗り換えるのも一案です。
ハローページ(※2021年廃止済み)を利用した連絡が取りづらくなる
2021年に廃止された「50音別電話帳(ハローページ)」ですが、いまでも過去に発行されたハローページを電話帳代わりにしている人は少なからずいます。事実としてウェブ上には、過去のハローページに掲載されていた氏名や電話番号をデータベース化し、検索可能にしているサービスも存在しています。
そしてハローページに掲載されている電話番号は、基本的に固定電話の番号です。つまりハローページに掲載されている電話番号が、固定電話解約によって繋がらなくなる可能性が高いです。
過去、ハローページに電話番号を掲載していた理由が「自分に用がある方が、自分の連絡先を簡単に調べられるようにしたい」というものだった場合、若干不便になるかもしれません。相手からしたら連絡先を調べづらくなるでしょう。