サルバドル・イーリャ氏はコロナ禍下で医療品の買付のすべての決定権をもっていた。その為に、彼が買付予算として持っていた金額は25億7800ユーロ(3100億円)。ところが、少なくとも7億ユーロ(840億円)余りが現在までに損出とされている。即ち、マスク、人工呼吸器、手術手袋、ガウンなどを輸入したが、不良品が大半で、しかも納期も大幅に遅れた。(3月12日付「リベルター・ディヒタル」から引用)。

ところが、不良品と納期の遅れに対して保健省は輸入業者や仲介業者に返金の請求をしておらず、損出と計上されている。なぜ請求しないのか? 理由は明白だ。彼らが相当額のマージンと手数料を頂戴しているからだ。しかもその大半がイーリャ元保健相の関係先でもあった。中国の輸出企業に対し不良品の返金要求をしても先ず回収は不可能である。しかも、多額の手数料を取っていたその輸入業者や仲介業者からも返金を要求するということは現実的には不可能だからである。