音声会話型おしゃべりAIアプリ「Cotomo」を開発するStarley株式会社は、AIとの会話によるシニアの認知症予防と、家族とのコミュニケーションの活性化を目指して、横須賀市と連携した実証実験を始めることを発表しました。

横須賀市によると、10月から市内の施設などで導入し、学術機関での効果検証を行う予定です。

高齢化社会におけるAIの有用性

厚生労働省が公表している「国民生活基礎調査の概況」によると、現代の日本では、65歳以上の約3人に1人が一人暮らしをしています。また、日本老年学的評価研究グループの発表によると、他者との交流が月1回未満だと、毎日交流のある人に比べて認知症リスクが約1.5倍高くなるというデータも出ています。

そこで、「おしゃべりAI」を活用することで、シニア世代の孤独感や認知症リスクを低下させる効果が期待できるのだといいます。

「国民生活基礎調査の概況」|厚生労働省

「思い出話」ができる環境を実現

また、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターが発行する「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」によると、認知症予防のひとつとして、「記憶を呼び起こすことで脳の活性化を図る」ことがあげられています。

おしゃべりAIに「個人的な思い出話」などを学習させることで、利用者に他者との会話の抵抗感やプライバシーに関する心配を感じさせることなく、「いつでも話相手がいる環境」を提供できるとのこと。

「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

Starley株式会社は、今後、横須賀市と連携し、市内や他自治体での利用拡大のほか、販売協力企業と連携して、民間施設や個人で利用できるように整備を進める考えです。

<参照>

1億回の返答実績を持つおしゃべりAI 「Cotomo」を開発するStarley、横須賀市と実証実験を開始