視聴率と関係ないAVOD再生数

 では、なぜフジのドラマはこれほど多く再生されているのか。どうやら視聴率、特に長年テレビ局が営業の交渉に活用してきた世帯視聴率はいうに及ばず、数年前から使い始めている個人視聴率とも相関関係は大きくなさそうだ。

フジテレビ快挙、夏ドラマ再生回数1億を突破で他局を圧倒…広告収入が大幅増
(画像=(c)次世代メディア研究所,『Business Journal』より 引用)

 期間中の各局GP帯ドラマの個人視聴率(スイッチメディア「TVAL」より)平均値で比較してみよう。夜7~11時と最もよく見られる時間帯だが、個人全体のトップはTBS。2位のフジの1.5倍ほどになる。以下、3位のテレビ朝日と4位の日本テレビの差はあまりない。

 では、他の特定層ではどうか。スポンサーのニーズが高いといわれるコア層(13~49歳)でも、19歳以下でも、中高生の間でも、TBSの首位は揺るがない。注目すべきは65歳以上で、テレ朝がTBSに迫るが、残念ながらテレ朝のAVOD再生数が他局を圧倒しているとは聞かない。高齢者のテレビ視聴とネット再生は相関関係がなさそうだ。どうやら年齢層別の視聴率は意味を持たないようだ。