人間がゾウに襲撃される事故がしばしば報じられる。時として人間を死に至らしめるゾウだが、その行動の背後には人間側の事情があることも多い。

ゾウに踏みつけられたゾウ使いの男性

 インド・ケララ州は土地の30パーセント近くが森林に覆われ、そこには野生のゾウが多数生息している。また、同州の寺院では伝統的にゾウを飼育して宗教儀式に利用してきた。このようにゾウが身近に存在する環境では、ゾウと人間が衝突する事故がしばしば発生する。

 同州コータヤムにある寺院のスリ・ラーマスワミ寺院では2024年4月3日、祭りの最中にゾウ使いの男性がゾウに踏みつけられて死亡した。この男性はアラヴィンドさん(26)と特定された。

 事故の瞬間を捉えた監視カメラの映像が公開されている。午後9時頃、背中に女性を乗せた一頭のゾウが突然暴れ出した。白いシャツを着たアラヴィンドさんはゾウの一撃を受けて転倒し、ゾウに踏みつけられた。寺院の職員と地元住民は直ちにアラヴィンドさんを病院に搬送して入院させたが、負傷により死亡した。