ではお前は今後をどう見ているのか、と言われれば秋の落とし穴には気をつけるべきだと思っています。トリガーが何かはわかりません。わからないから何か起きた時、市場は過剰反応するのです。

ただ一点だけ述べると金(ゴールド)の価格だけは極めて堅調に上昇しています。この意味は他の金融資産にリスクを感じている層といざという時の備えを厚めにとっている中央銀行の動きが背景であり、一種の保険を皆で購入している状態だという点はご理解頂いた方がよいでしょう。「夏の宴のあと」は寂しいですからね。

自民党総裁選と都知事選の共通点

先ごろの都知事選に56人立候補したことは茶の間の話題になりました。300万円で売名できるなら安いよな、これが理由でした。つまり95%の立候補者は自分が都知事になれるなんて微塵の思いもないのです。

思い出してください。トランプ氏が初めて大統領になった時、氏は「自分が当選すると思っていなかった」と述べています。自己顕示欲はマズローの要求段階説の5段階のうち4段目にあたります。人々は日々の生活の満足感から自分をいかに目立たせるかという段階に入ったわけです。そして一番上のランクが自己実現欲ですから都知事選なら5%の人(つまり2-3人)だけが本当に都知事になりたいと思って勝負していたということになります。

では一カ月後に迫る自民党総裁選。岸田氏が出馬しないこと、及び岸田氏が様々な方の立候補が望ましいというスタンスを示したことで都知事選の二の舞が予想されています。今名前が取りざたされている方だけでも10名近くいるでしょう。20名の推薦人集めが一つのハードルになり実際に出馬できるのは物理的にそこまで多くはならず、5-6人ぐらいになりそうです。

出馬に必要な推薦人20人の目途がついた小林鷹之・前経済安全保障相

ではその方々の中で本当に総理になりたいと思っている方が何人いるかです。一部の人は「総裁選に参加することに意義があり」なのです。理由は自分が何票取れるかは自分の成績表であり、その結果次第では自分の議員生活の身の振り方の判断ができるからです。