シガイの森は、滋賀県近江八幡市浅小井(あさごい)町の広大な田園の中に存在する森林である。漢字では「新開の森」と表記され、織田信長が築いた安土城のすぐ傍に位置する不思議なスポットとなっている。

 地方においては、このような田畑の中にポツンと小規模の木々が残されているケースは非常に多い。これらは、古墳であったり氏神を祀った社があったりということが大半であり、いわゆる神域として現代もなお残されている場所となっている。現に、シガイの森の中にも「今宮大明神 天満宮 御旅所(おたびしょ)」という石碑が残されている。御旅所とは、神様が休憩する場所のことを言い、シガイの森では一本道の行き止まりの先に碑が建てられている。

 このように、シガイの森は神域とされているが、その一方で県下最恐クラスの心霊スポットの呼び声も高い。その最大の理由は、このシガイの森の場所がかつて処刑場であったと言われていることにある。

 先に「御旅所」の石碑があったことから、処刑場だったという話は後付けではないかと思われるかもしれないが、そうとも言い切れないようなものがシガイの森の裏手にある。

 実はそこには小さな祠が建てられており、石造りの祠の中に地蔵と、祠の傍に「建部紹智 大脇伝助 殉教」と彫られた石碑があるのだ。1579年に刊行された『安土宗論』という書物によると、法華宗信徒の建部紹智(たけべしょうち)及び大脇伝助(おおわきでんすけ)が斬首されたと記録されており、その供養のために建立されたのがこの石碑というわけ。

「シガイの森」は織田信長にまつわる伝承が残る処刑場跡だった?!=滋賀県
(画像=Image by Dorothe from Pixabay,『TOCANA』より 引用)

 この二人がシガイの森の場所で斬首されたかは定かではないが、少なくともそうしたかつての記録を踏まえて、この地がいわくのある場所であるとして広まった可能性は充分にあるだろう。この他にも、信長が不在中に城を出て遊んだ女中たちが罰としてこの場所で処刑され、その彼女たちの遺骨がこの地下に今も眠っているという噂がある。

 さて、シガイの森で囁かれている心霊現象というものはどのようなものか。まず挙げられるのは「木を切ると呪われる」というものだ。これは、そもそもが神域であるということにも起因していることは容易に考えられるが、そのためにこの森に手を出すことは誰もしないのだという。また、森の中を歩いているとどこからともなく視線を感じることがあるとされており、女性の幽霊が現れるというものもある。後者については、先の処刑された女中の逸話に関連したものであろう。

 シガイの森は、心霊スポットとして知名度も高く、数々のメディアでも取り上げられたことのあるスポットである。暗い歴史を思い起こさせる場所ではあるものの、今なお畏怖される神域であることは間違いない。訪れた際は粗相無きよう気を付けていただきたい。

【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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