BMWグループとパートナー各社が革新的な素材を開発したことを証明する栄誉ある受賞
計算科学とAIの分野をリードするグローバル企業「アルテア」は、BMWグループにプレミアムメーカーの技術革新の進展を称える栄誉ある「アルテア・エンライテン賞」の「サステイナブル・プロセス部門賞」を授与した。
毎年開催されるこの賞は、二酸化炭素排出量の削減、水とエネルギーの消費量の最小化、材料の再利用とリサイクルの促進を実現した、世界の自動車産業における革新的な軽量構造と持続可能性に関するソリューションを表彰するもの。
BMWグループは、この研究プロジェクトが将来の製品開発の先駆けとなるものであるとして、BMW Mヴィジョナリー・マテリアル・シートで今回受賞した。顕著な功績は、持続可能なシート設計と製品ライフサイクル全体への注力であり、世界の自動車セクターにおいて最も革新的で先見性のある持続可能な開発のひとつとなっている。
プロジェクト・オーナーであるBMW M GmbHに加え、BMWグループ・デザインワークスはBMWデザイン・チームと共同でシートのデザイン、カラー、素材コンセプトを担当した。このプロジェクトは、複数のパートナーとの緊密な協力により実現している。
主要テーマ:循環のためのデザイン、軽量構造、魅力的な製品
未来の素材開発に関する研究のプラットフォームとして、受賞したシートは植物由来の素材の使用を推進し、循環型デザインの一環として、二次原材料の割合を高め、ライフサイクルの最終段階でのリサイクル可能性を高めることを主要テーマとして焦点を当てた商品となっている。
さらにチームは外観、品質、軽量構造、機能性の面で魅力的な製品の開発を目指した。ミニマルなデザインは、軽量シート構造が見えるようにし、中核部品としての地位を強調している。集中的なライフサイクルアセスメント(LCA)が、開発の各段階でデザインを補完した。
BMW M GmbHの軽量デザイン&サステイナビリティ・イノベーション・マネージャーであるファルコ・ホルマン氏が、授賞式でこの賞を受け取り、「私たちは今日、排出量削減と資源保護への取り組みを次のレベルに引き上げるために、既存の技術と材料で明日何が可能になるかを示しています。これは単に材料を代用するだけでなく、何よりも循環型の設計を目指すものです」とスピーチした。
天然素材の使用
このプロジェクトの大前提は、現在の枠組みの中で作業を進めながら、未来への飛躍を実現することだった。SQR(二次原料割当量)の高い利用可能な素材クラスを評価した結果、天然素材が理想的な補完物であることがわかった。例えば、このシートには天然繊維、繊維複合材料、代替皮革、藻類由来のポリマーが使用されている。
カーボンフットプリントを90%削減
このシートのCO2排出量は、現在製造されているBMW Mカーボン・バケット・シートに比べて90%削減されている。これは、超軽量でロボット制御により巻き取られたファイバー・コンポジット・シート・サポート構造と天然由来素材の使用、およびリサイクル率の高さによるものだ。
さらにモジュールの複雑性が低く、種類ごとにグループ化された材料が使用されているため、シートのライフサイクル終了後のリサイクルが容易になっている。使用されている積層造形プロセスも画期的だ。 新しい技術により、M BMWビジョナリー・マテリアル・シートから支持構造、化学的後処理、仕上げを完全に排除することが可能になった。
その他の優先事項としては、エネルギーと資源を節約するために、フラットな価値創造チェーンと最小限の仕上げ工程が挙げられる。
将来のプロセスへの教訓
「BMWグループのトータル・ビークル・ライフサイクル開発責任者であるロベルト・ロセッティは、次のように説明している。
「私たちの最大の教訓のひとつはバランスを取ること、言い換えれば不足している一次データを生成するためにプロセス・チェーンをモデル化する方法でした。得られたデータは、今日のマイナス要因と明日のプロセス設計の両面から、新たな洞察を与えてくれます。この経験は、持続可能性を継続的に改善し、先進的なモビリティのための革新的なソリューションを開発するための強固な基盤となります」
文・CARSMEET web編集部/提供元・CARSMEET WEB
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