――巫女の家系に生まれた霊能ライター「田口ゆう」が暴露!
これは、筆者が霊能者としてブログを書いていた時の出来事。筆者の家系は代々神社で、女性だけに霊感が出る。霊が見える人間が多かった。筆者もその能力で霊視をする霊能者として活動していた。当時、一緒に活動していたのは、小さい頃から霊感が強く、神社に所属する生粋の拝み屋(東北地方の霊能者)だった。
ある日、ブログのネタを探すためにネットで検索していると「ひとりかくれんぼ」という降霊術がヒットした。調べると無数にwebがあり、ある条件で人形に仕掛けをすると、霊が降りてくるという降霊術のことだった。
「ひとりかくれんぼ」がブームとなったのは、2007年頃で、発祥は2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のオカルト超常現象板と言われている。そこに詳しいやり方が書かれ、試した人が次々と怪奇現象にあったことで爆発的に広まった。
「ひとりかくれんぼ」を扱ったwebサイトでは、半年以内に管理人が必ず精神を病んで人が変わるという噂もあった。筆者は正直、インターネットで書かれている怪奇現象の数々を半信半疑で読んでいた。
なので、軽い気持ちで読者に向けてトンデモ怪奇現象として紹介しようとした。 そのとき、拝み屋が、必死に「これは呪術系の知識を持った人間が悪意を持って流した本物の降霊術。絶対にブログなどでやれなどと勧めるような記事を書くな」と止めた。そんな大げさな……。筆者は霊が見えるが、そういった呪術や呪いの儀式などは信じていなかった。
だけど、やめろと言われると書いてみたくなるのが人のサガ。興味本意でブログにやり方を書いて「絶対にやるな」と注意書きを入れ、ひとりかくれんぼを紹介した。その時は、まさか本当に怪奇現象が起きるとは思っていなかった。
すると、深夜になって、読者から「読んだら体調が悪くなった」「肩が痛い」「首が痛い」「霊が見えた!」というメールが何通も届くこととなる。ブログのコメント欄に書き込まれるたびに、自分も、自分もという書き込みが増えていった。
「そんなのあり? 集団ヒステリーじゃないの」と思いつつ、読者には塩風呂に入りお祓いをするよう勧めた。
さらに、丑三つ時になり、友人のちょっと霊感の強い女性が「助けて!!」と電話をしてきた。 その家では犬を飼っていたが、ブログを読んだ時から、犬が天井の一か所に向かってずっと吠えていたという。友人も肩が重い、頭が痛いという状態になっているとのこと。霊視してみると、確かに犬が吠えているところから、貞子みたいな霊が壁から生えているように見える。彼女の家も祓ったところ、犬も落ち着き、体調不良も治った。
怖くなった筆者は拝み屋に電話して「ブログを読んだだけなのに、体調が悪いとか、幽霊が出るとか次々と連絡がくる」と泣きついた。
拝み屋は「だから言ったでしょう。すぐにブログを削除しなさい」と怒ったので、削除しようとパソコンを立ち上げた。
ブログにアクセスすると、「コメントが4000件」というあり得ない数になっている。気持ち悪いと思いながらも、コメントを見ようとクリックすると、パソコンが「パーン!」という音を立て光った。そして、次に見た瞬間には「コメントが100件」と普通のコメント数に戻っていた。
拝み屋は「私のアナログ腕時計まで、逆回転でぐるぐる回転しています」と言い、筆者宅の時計は2時で止まったままビクともしない。
ブログを削除すると、読者からのメールは収まった。そして、時計はふたたび動きだした。あれは自分も含めた集団ヒステリーなのか。それとも拝み屋がいうとおり、絶対に真似をしてはいけない本格的な交霊術なのか。真相は分からない。
だが、やめろと書くと試したくなる人も多いだろう。本当に悪意を持った人間が流した情報だという拝み屋の言葉が本当なのか、ただの集団ヒステリーなのか。それは試した人間にしか分からない。
※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。
文=田口ゆう
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
提供元・TOCANA
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