8月9日、ブラジルで発生した旅客機墜落事故で61名全員が死亡した。事故機は「デス・スパイラル」と呼ばれる致命的な状態に陥ったとされる。この悲劇的な事故の背景にあるデス・スパイラルとは一体どのようなものなのだろうか。

デス・スパイラルとは

「デス・スパイラル」とは、航空機が制御不能に陥り、螺旋状に落下していく極めて危険な状態を指す。米国で40年以上の旅客機操縦経験を持つロス・エイマー機長は、この現象について次のように説明した。

「デス・スパイラルは、通常、機体が失速状態に陥った後に発生する。片方の翼が失速し、機体が傾くと、もう一方の翼が揚力を生み出し続けるため、機体は回転しながら落下していく。エンジンが停止している場合、この状態からの回復は極めて困難だ」

 エイマー機長はさらに、「一度デス・スパイラルに陥ると、脱出はほぼ不可能」と強調した。この説明は、目撃者が説明した事故機の最後の動きと一致している。