また東向きのヒマワリの頭頂部は、西向きに比べて朝の温度が高いと判明。

ハーマー氏によると、「この温度の高さが朝に採餌するミツバチにエネルギー上の恩恵をもたらしている」とのこと。

さらに東向きは、温度上昇によって花粉が早いタイミングで放出されていました。

つまり成熟したヒマワリは、朝ミツバチが採餌(および受粉)しやすいようにあえて東向きに固定していたのです。

ヒマワリは東を向くことで子孫繁栄を狙っていた

また東を向くヒマワリは、より大きく重い種子をつくる傾向にありました。

ハーマー氏によると、この効果は頭頂部の温度に左右されるようです。

実際、西向きの頭頂部をポータブルヒーターで暖めると、東向きのヒマワリと同じような結果が得られました。

さらに別の実験では、実際に西向きのヒマワリと東向きのヒマワリのどちらがより多くの子孫を生み出すか調査されました。

その結果、東向きのヒマワリの方がかなり多くの子孫を生み出すと判明

つまりヒマワリは、頭をあえて東向きに固定することで、子孫繁栄をもたらしていたのです。

東向きのヒマワリは子孫繁栄を狙っていた
東向きのヒマワリは子孫繁栄を狙っていた / Credit:Depositphotos

ヒマワリは写真や絵画の題材にピッタリです。

たくさんのヒマワリが同じ方向に花を咲かせるため、「絵になる美しさ」があるからです。

しかしその美しさの秘密は、ヒマワリの「徹底的な生存戦略」でした。

天真爛漫なイメージのヒマワリは、実はかなり計画的で賢い植物だったのです。

※この記事は2022年8月に公開のものを再掲載しています。

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参考文献

Why sunflowers face east
https://phys.org/news/2021-08-sunflowers-east.html

Researchers find out why sunflowers always face east
https://www.zmescience.com/science/researchers-find-out-why-sunflowers-always-face-east/