悲劇的な事故と謎の予兆

 1979年5月25日、アメリカン航空191便がシカゴのオヘア国際空港を離陸した直後、わずか数分で墜落し、乗員乗客271人全員と地上にいた2人が命を落とした。この事故はアメリカ航空史上でも最も悲惨な出来事の一つとして知られているが、その背後にはいくつかの不可解な出来事が存在している。

悲劇の予兆と悪夢の連続

 墜落事故が起きる数日前から、デイビッド・ブースという人物が同じ悪夢を連続して10夜にわたり見ていた。彼はその夢について「夢ではなく、あれは予知だった」と語っている。ブースの夢はいつも同じ光景で始まった。明るい日差しの下、大きな空港と長い滑走路、そして巨大なアメリカン航空の飛行機が見える。飛行機は滑走路で加速を始めるが、突然エンジンの音に異常を感じる。そして飛行機は空中に上昇した後、急に地面に向かって墜落し、巨大な炎を上げて爆発するという内容だった。

 この夢が7日目に達した時点で、ブースは何か行動を起こさなければならないと感じ、連邦航空局(FAA)に連絡を取った。FAAの広報担当者であるジャック・バーカーは、ブースの話を聞き「彼は冷静で、信頼に足る人物に思えた」と語っている。しかし、ブースの夢は具体的な場所や飛行便名を示すものではなく、FAAとしてもそれ以上の対応ができなかった。

 その後もブースの悪夢は続き、彼はついに10日目の朝、夢が二度と繰り返されることはないと感じた。その日、彼はFAAに再び電話をかけ、「昨夜で10夜連続で同じ夢を見た」と報告した。そしてその日、まさに予知通りにアメリカン航空191便は墜落したのである。

10夜連続の予知夢が現実となった悲劇『アメリカン航空191便墜落事故』
(画像=滑走路上に散乱する残骸 画像は「Wikipedia」より、『TOCANA』より 引用)