「打たれるぐらいなら敬遠を選ぶ」戦略的な観点から良く見受けられる戦術だが、主に強打者と相対したときに選択するケースが多いように感じる。ホームランバッターか、ここぞの場面でヒットを打てるバッターは避けよう。そんな場面が日本人バッター相手に見られた時、心なしか誇らしい気分にもなったものだ。敬遠の数が多いのも、ある意味勲章のひとつといえるだろう。今回は日本人選手の敬遠による四球数トップ10をランキング形式で紹介し、その詳細について掘り下げていく。
【MLBデータコラム】日本人選手の三振数トップ10
まずは、6位-10位まで。
【6位―10位】
6位: 鈴木 誠也
通算敬遠数 7(337試合/1252打数344安打/135四球)
7位: 新庄 剛志
通算敬遠数 6(303試合/876打数215安打/55四球)
8位:田口 壮
通算敬遠数 5(672試合/1369打数382安打/102四球)
9位タイ:岩村 明憲
通算敬遠数 3(408試合/1545打数413安打/183四球)
9位タイ:青木 宣親
通算敬遠数 3(759試合/2716打数774安打/234四球)
続いて、上位5人を5位からお届け。
5位:松井 稼頭央 通算敬遠数 9(630試合/2302打数615安打/179四球)
4位:福留 孝介 通算敬遠数 17(596試合/1929打数498安打/307四球)
3位:松井 秀喜 通算敬遠数 35(1236試合/4442打数1253安打/547四球)
通算敬遠数が35個、シーズン別でも最高は2005年の7個で5個以下の年も多かった。意外に少ない印象だが、それもそのはず。どこからでも一発が生み出される、名門ニューヨーク・ヤンキースの超強力打線の中で、敬遠される機会はそれほどなかったものと思われる。
2位:大谷 翔平 通算敬遠数 65(825試合/2911打数812安打/414四球)
ホームランバッターの宿命でもあるが、大量得点を避けるためにどうしても敬遠という選択をされることが多くなる。メジャー初年度は2つ、2年目は1つのみだったが、46本塁打を放った2021年には20個と一気に増えている。34本塁打を放った2022年は14個、44本塁打を放った2023年は21個。敬遠、四球が増える中、数少ない好機を見定め本塁打を放つ、そのバッティングセンスは改めて脱帽だ。
1位:イチロー 通算敬遠数 181(2653試合/9934打数3089安打/647四球)
19年にわたってメジャーリーグに身を置き続けたイチローにとって、あらゆる記録で1位になるのは当然のことと言えるが、それは敬遠数に関しても同じである。特に数多くの記録を樹立した第一期シアトル・マリナーズ時代は顕著。デビュー年こそ10個にとどまったが、翌年の2002年は27個でこれがシーズン別での最多。次いで2005年の23個。それ以外も2004年以降は2011年まで2桁敬遠を積み重ねてきた。2012年のニューヨーク・ヤンキース移籍以降は5個以下のシーズンが増えたが、合計で181個という数字もまた、他の追随を許さない記録であることは間違いない。