暑くなってくると、羽虫たちが気になる。夜釣りでは特にそうだが、少し汗をかいたり、ヘッドライトで手元を照らしたりすると、一瞬でたかってくる。なかなか集中力をそいでくれる邪魔者であり、苦手な人は徹底的に苦手だろう。まさか捕まえてエサにするのでなければ、忌避する方法を考えるしかない。今回は、夏場の釣りでの羽虫対策を考えたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
釣り場にいる「羽虫」
羽虫で危険なのは、蚊やアブやブヨといった刺すヤツらだ。蚊はまだ弱毒で痒いだけだがそれでも十分邪魔だし、アブやブヨに刺されると痛い。アレルギーがある人なら、重大な反応が出るかもしれない。そのような方は残念ながら夏場の釣行は控えた方がいい。
オカッパリでは地続きの陸からやってくるのだからわかるが、船の釣りでも私の経験上まあまあ羽虫にたかられた覚えがある。こればかりは出所が少し謎だが、まあこういうふうに考えるとしよう。「そもそも虫のいる家に、自分が行くのだから、お邪魔させてもらっていると思って受け入れつつ、なるべく回避するしかない」と。
夏場に彼ら羽虫が増殖するのは、羽化の時期を迎えるためだ。ちなみに世界で一番人を殺している昆虫・虐殺者の蚊は、気温が高すぎると動けない。温暖化が進んだ最近の盛夏の日本で日中に姿を見せなくなっているのは、暑すぎて動けないからだ、という説がある。
虫を寄せ付けないための3つの方法
海辺でたかってくる羽虫には数種いる。危険な毒を持つのは「ヌカカ」や「イソヌカカ」といわれる種で、こいつらは対策が別なので、ここでは言及しないことにする。
あくまで人間の体には基本的に無害ないし弱毒だが、たかられることで集中力をそぐような羽虫の忌避について述べよう。簡単な対策術は、次の3つだ。
忌避剤を撒く
いわゆる、防虫剤をふりつければいい。手首、首、足首などにたかってくる。血行が盛んで臭いがする場所だ。種ごとにコレがいいという指定は特にない。
基本的に防虫忌避剤の化合物は同じだ。いわゆる木酸酢がどんな虫にも効くように、羽虫の防虫剤は一括でいろんな虫に効く(大雑把に言えば、だが)。
服の色味を抑える
蚊は黒を好む、という。ただこれは日中の光を吸収して、黒が「色の塊」に見えて目立つからだろう。紫外線量が少ない夜ではあまり影響がない、気がする(あくまで筆者の私見)。
どちらかといえば、服の色味については、明るい色を避けた方がいい。白や黄色に虫は圧倒的にたかりやすい。以前、内陸県の田舎の人と話していたところ、せっかく買ったHONDAの黄色のスポーツカーに、夜ごと卒倒しそうになるほどの虫がたかってしまい、カブトムシまでいるという始末だったらしい。
実際明るい色の服を着ていると、虫がたかりやすい。白、黄色、青といった色は紫外線を反射して、夜の釣りでは発光してしまうため、なるべく避けよう。
ライトのカラーは「橙色」に
ヘッドライトのカラーは、白色でなく、橙色が望ましいといわれる。トンネルの色にオレンジ色が多いのは、虫よけの意味合いも大きいらしい。白よりも橙の方が虫を寄せ付けにくいのだ。
これは水銀灯とナトリウム灯の下で釣りをしていれば、実感できることだ。ただ、虫がたかりやすい蛍光灯の方が常夜灯効果も高く、魚が釣れやすい気がするのだが。
ヘッドライトの色は、気がきいた製品であれば、橙色の光が出るものもある。誤って水面を照らしても魚がスレにくいという大きなメリットも持つので、おすすめしたい。