ヘビが自分の尻尾を飲み込んでしまう理由とは?
ヘビが自らの尻尾を飲み込む決定的な理由はまだ得られていませんが、研究者らはいくつかの要因を挙げています。
まずは「温度調節の異常」です。
他の爬虫類と同じく変温動物であるヘビは、自らの体温を制御する能力を持ちません。
体温は外部の気温に依存して決まるため、暑い日は日陰に隠れ、寒い日は日光浴をする必要があります。
しかし体温が上がりすぎると、ヘビの方向感覚や温度感知の能力が故障し、混乱して自分の尻尾と獲物が見分けられなくなって、とっさに噛みついてしまうのです。
飼育環境下でウロボロスの現象がよく見られるのは、身を隠す日陰がなかったり、バスキングライトがつけっぱなしになることが原因だといいます。
それから「過熱による代謝亢進」も関係しているという。
ヘビが体温を下げられずオーバーヒート(過熱)すると、代謝率が上昇して、空腹でもないのにお腹が空いているように錯覚するのです。
そうなるとヘビは目についたものを何でも食べようとするので、獲物と見誤った自分の尻尾に食いつくといいます。
そして「ストレス」も大きな要因の一つです。
狭い水槽での生活、過度の光や騒音、触りすぎ、汚れたスペースなど、ストレス因子が多いとヘビは異常行動を取り始めることが分かっています。
その一つとしてウロボロスのような行為があるのです。
私たちも過度のストレスを受けると、爪を噛んだり髪の毛を抜いたりと自傷行為に走ることがありますが、それと似ているのかもしれません。
ウロボロスを見かけた場合の対処は?
もし飼い主として、ペットのヘビがこの自傷行為をしているのを見かけたら、直ちに命を救うための対処をしなければなりません。
最初に確認すべきは、飼育環境の温度調節がおかしくなっていないかどうかです。
もし過度に暑くなっていたのなら、バスキングライトを消したり、日陰に置いたり、あるいは水を吹きかけたり、水を入れたボウルにヘビを入れるのが有効だといいます。
ちなみにこちらの飼い主は、手の消毒液を鼻に塗るとヘビがスルスルと尻尾を吐き出すことを発見したそうです。
またウロボロスの行為が定期的に見られるなら、ストレスが要因の可能性が高いため、飼育環境を見直してみましょう。
温度でもストレスでもない場合は、病気や年齢による異常行動が予想されます。
その場合は獣医に診察してもらって、正しい処理を受けるのがベストです。
「ウロボロスが見れたからラッキー」と決して放置しないようにしましょう。
凍死と熱死のギリギリの境界で生きるチベット高原の「温泉ヘビ」とは?
参考文献
Shocking Videos Show Snakes Really Do Swallow Their Own Tails
8 Main Reasons Why Snakes Eat Themselves