一方で、ステータス資格はどうかというと、これは持っていたほうが有利です。なぜ有利かというと、自分の知識やスキルを第三者が証明してくれるので、自己紹介の手間が省けます。

さらに、自分自身で自分の知識やスキルを客観的に表現するのは、実際のところ簡単ではなく、「説明が省ける点」では有利であるとはいえます。

たとえば、「資産設計などが得意です」というよりは、「ファイナンシャルプランナーを持っています」というほうが説得力に満ちています。

さらにいうまでもなく、国家資格など公的な資格であれば、信用度も非常に高いといえます。私自身の経験からいえば、まだ20代前半で実績がなかった頃でも資格を持っていたために仕事が取れていたので、資格に対する信頼度は比較的高いと感じています。

独立して仕事を取るにはさまざまな営業手法がありますが、そのいずれの方法でもお客様に信頼されなければ、仕事を依頼されることはありません。具体的な営業については別の章で回答しますが、資格のような第三者の証明がない状態で信頼してもらうのはなかなか難しいものです。

もっとも、資格がない場合でも、自分自身の仕事の実績が優れていれば、資格がなくても仕事を取ることは十分可能であることは付け加えておきます。有利といってもあくまでも言葉そのまま「有利である」というだけで、「資格があれば必ず食べていける」「資格さえ取れば間違いない」という意味ではないことに注意が必要です。

「資格で起業」の危うさ

独立起業する前に資格を取って起業しようと考えるとき、もっとも陥りがちなミスが「資格で起業しよう」と考えてしまうことです。これは過去の自分の否定になりかねない考え方です。

なぜ資格で起業しようとすることが誤っているのかを、これから詳しく解説していきましょう。

実は、このミスは私が犯した最初のミスでもあります。

私は行政書士として独立開業したのですが、行政書士で独立開業したことによって「行政書士の仕事以外をしてはいけない」というルールを自分で勝手につくってしまったのです。