中古スマホの販売店などでしばしば目にする「赤ロム」という言葉。この「赤ロム」、実は2024年現在、総務省が原則禁止の方向で動き出しています。なぜ「赤ロム」を総務省は禁止する方向で議論を進めているのでしょうか。また、赤ロムが一斉に禁止になった場合、一般消費者にとってデメリットはないのでしょうか?

今回は赤ロムの危険性と、意外な「赤ロムを買うメリット」をご紹介します。

中古スマホを買う際の「赤ロム」とは?(総務省の定義)

総務省が定義している「赤ロム」は、携帯キャリアによってネットワーク利用制限がかけられた端末のことです。具体的には、端末代金が未払いのスマホなどが対象です。この制限がかけられた端末は、SIMカードを挿入しても通話やデータ通信ができません。

中古スマホの「赤ロム」を総務省が原則禁止へ:今更聞けない赤ロムの危険性と「意外なメリット」
(画像=『オトナライフ』より 引用)

ちなみに、SIMカード未挿入の「ネットワーク利用制限がかけられていない」端末は、通常通り利用可能です。こうした端末は「白ロム」と呼ばれます。なお、端末が赤ロムかどうかは、端末の製造番号から調べることが可能です。

総務省は「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整中

総務省は2024年4月、「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」において「ネットワーク利用制限」を原則廃止する方向性を明らかにしました。つまり、正式にネットワーク利用制限が禁止された場合、「中古で買ったスマホが赤ロムだった」というリスクがなくなります。

「赤ロム」には不正防止の役割がある反面、中古スマホを買った当人に非がないにも関わらず「買ったスマホがいきなり使えなくなる」という不利益を被るリスクがあることが問題視されています。こうした点を総務省も問題視し、ワーキンググループで議論が進んでいると思われます。

そもそも「赤ロム」は何故危険なの?

端末に対するネットワーク利用制限は、端末の不正契約や不正取得、代金未払いなどの不正行為に対するキャリア側の対策の一環として行われます。そうして生じる「赤ロム」が危険視される理由は、ロックされた端末が中古市場に出回った場合、前の持ち主と関係ない第三者が通信キャリアのネットワークに接続できなくなるリスクがあるという点です。

近年は赤ロム対策として、中古スマホの販売店では端末に△マークを付けるなどして「その端末が赤ロムであること」を明示し、なおかつ赤ロム保証を永久的に提供しているケースが増えています。こうした保証が充実する以前は、赤ロムは見た目では判別が難しいことから、購入後に初めて問題に気づくユーザーも少なからずいました。

中古スマホに「赤ロム永久保証」を付ける中古販売店は多い

前述の通り、赤ロムのリスクを軽減するために、多くの中古スマホ販売店が「赤ロム永久保証」を提供しています。以下の表は、赤ロム永久保証を提供している中古スマホ販売店の保証の内訳の例です。

中古スマホの「赤ロム」を総務省が原則禁止へ:今更聞けない赤ロムの危険性と「意外なメリット」
(画像=『オトナライフ』より 引用)

なお有償保証に入らなくとも、赤ロム保証は通常保証の範囲内で永久的に提供されることが多いです。たとえばゲオの場合、商品と同梱されている「納品明細書」があれば期限を問わず交換もしくは返金対応が行われています。

つまり、総務省のワーキンググループで赤ロム規制が話し合われている現状ではありますが、そもそも従来と比較し、民間レベルでの赤ロム対策は非常に充実しているのもまた事実です。販売店側での保証があまり充実していなかった時代と比較すれば、赤ロムの危険性はだいぶ薄れていると言っても過言ではないかもしれません。