キューバの独裁政治体制もマドゥロ政権が倒壊すると、キューバの政権自体も揺らぐ可能性があるので、ベネズエラの現政治体制を必死で守ろとしている。しかも、ベネズエラの軍部には麻薬組織も存在しており、マドゥロ政権が打倒されると、彼らも甘い汁を吸えなくなるとして現政権が倒壊することを避けようと望んでいる多くの軍人もいる。

しかし、マドゥロ独裁政権をこれからも維持して行くことはほぼ不可能であろう。廃刊させられたベネズエラのエル・ナシオナル紙のオーナーエンリケ・オテロ氏は「今年1月までであればマドゥロ氏が政権を去ることを国民も慎みをもって受け入れられたであろう」と述べた。(8月3日付「リベルター・ディヒタル」から引用)。

しかし、現時点ではもうマドゥロ政権を打倒する以外に民主化に向かうのに選択の余地はないと見ているようだ。

これから国内危機が更に深刻になって行くと、現体制の分断を招き、マドゥロ大統領が政権を維持して行くことが困難になって来るであろう。彼が自らを救うを手段は国外に脱出することである。向かう先はトルコあたりであろう。トルコにはベネズエラで発掘した金塊をトルコに送って捌いている。

僅か25年でベネズエラは裕福な国から貧困に喘ぐ国に変身

チャベス氏が政権についてから僅か25年でベネズエラは経済的に崩壊した。

ラテンアメリカで原油の埋蔵量ではトップの国ベネズエラであるが、社会主義による独裁体制で国は完全に崩壊した。貧困に喘ぐベネズエラでこれまで700万人が国を去っている。その一方で、独裁体制を維持すべく現在まで9400人が軍人や警察によって殺害された。今も1200人が政治犯として収監させられている。