日本では月額1,280円のYouTubeプレミアム。たとえばHuluが月額1,026円(税込)、Netflixが月額790円(※広告付きスタンダード)~と考えると、安くはないサブスクです。

実は日本のように価格の高い国ではVPNを介し、登録国情報を偽装して価格の安い国で登録するのが「裏ワザ」として広く知られていました。ところが2024年6月、海外メディアがYouTubeが登録国情報を偽ったアカウントの会員資格取り消しを始めたと報じ、大きな話題となりました。

日本のYouTubeプレミアムの月額は高すぎる? 機能面や海外版との比較から考察
(画像=『オトナライフ』より 引用)

つまりいままで使えていた裏ワザが「使えなくなった」ことを意味します。すると改めて「日本のYouTubeプレミアムの月額は高すぎるのでは?」という疑問に直面する方もいるでしょう。また、そもそもこの報道で「国単位でYouTubeプレミアムの価格が異なる」ということを知った方もいるのでは?

今回は「日本のYouTubeプレミアムの料金は高すぎるのか」、様々な面から考察していきます。

日本のYouTubeプレミアムは高すぎる? 海外とどれくらい料金が違う?

先述した通り、日本のYouTubeプレミアムの価格は月額1,280円。Huluの月額やNetflixの一部プランより高く、またU-NEXTの実質料金(月額2,189円・1200円分のポイント付与)よりも高いです。

つまりYouTubeプレミアムは「国内の他のサブスクと比較すると高め」と言えるでしょう。では海外版のYouTubeプレミアムよりも高いのでしょうか?

主要各国の料金は以下の通りです。

日本のYouTubeプレミアムの月額は高すぎる? 機能面や海外版との比較から考察
(画像=『オトナライフ』より 引用)

経済規模が大きな諸外国のYouTubeプレミアム料金は、おおむね月2,300円弱~2,800円弱と言えるでしょう。G10加盟国の中では、日本のYouTubeプレミアムは相対的に安いと言えます。ただし日本円換算の月額が高く見えるのは、かなり円安も影響しています。

たとえばアメリカのYouTubeプレミアムの月額は13.99ドル。いまの為替レートでは約2,300円弱ですが、ドル円を120円換算すると1,700円弱です。同様にユーロを130円換算すると、フランスの月額もおおよそ1,700円弱です。

つまり大まかに主要国のYouTubeプレミアムの相場は「過去は1,700円ほど、現在は2,300円弱~」と捉えておくと良いでしょう。月1,700円の水準に対して、日本のYouTubeプレミアムはまだ安いため「値上げ余地がある」可能性があるのかもしれませんね。

そもそもYouTubeプレミアムの月額は機能に見合っている?

とはいえ海外版との比較は、あくまで「全く同じサービスでも国内外で値段が違う」ことを示しているに過ぎません。そもそも「YouTubeプレミアムの月額は機能に見合っているのか」という観点でも、値段について考えた方が良いですよね。

日本のYouTubeプレミアムの月額は高すぎる? 機能面や海外版との比較から考察
(画像=『オトナライフ』より 引用)

YouTubeプレミアムには「バックグラウンド再生」「ピクチャーインピクチャー」など様々な細かな機能があります。ですがこの機能だけを目的にサブスクに加入する方は、多くはないのでは?

やはり目玉機能と言えるのは「広告なし」と「YouTube Music Premium」の存在です。そして結論から言えば、YouTube Music Premiumを使わないのであれば、YouTubeプレミアムはかなり割高に感じられるはずです。

まずYouTube Music Premiumは、YouTubeの音楽サブスク。Amazon Music UnlimitedのYouTube版と考えると分かりやすいです(※曲数などに違いはあります)。Amazon Music Unlimitedは月額980円(※プライム会員の場合)。ちなみに競合サービスであるSpotifyの月額も980円です。

つまり

・月額1,280円のYouTubeプレミアムに、月額980円の音楽サブスクが内包されている

と捉えると割安感があります。

一方でYouTubeに「音楽サブスク」を全く求めていない方もいるのでは?

そうした方にとっては「広告オフ」+「細々とした機能」で月額1,280円となるため、かなり割高です。今後、仮にYouTubeプレミアムが1,700円に近い水準へと値上がりした場合に離脱してしまう人が出る可能性すらあるでしょう。

YouTubeの広告ブロックに対応しているアドブロックは様々な形で提供されているため、そちらで十分という方も一定数いると考えられます(※なおYouTubeはアドブロック対策を強化しているため、将来的にアドブロック搭載のサードパーティー製アプリでの視聴が完全に禁止される可能性が高まっています)。

「YouTube Premium Lite」の再開も期待される?
YouTube Musicを利用しない場合には、YouTubeプレミアムの料金は高すぎるという声は「日本だけ」のものではありません。海外でも同様の声はあります。

そこでYouTubeでは、広告オフに特化したYouTubeプレミアムの新プラン「YouTube Premium Lite」を欧州の一部のみで試験導入していました(2023年秋まで)。価格帯は通常のYouTubeプレミアムの6割程度。ただし2023年秋以降、試験提供は終了済みです。

「YouTube Premium Lite」は一定のファンがいるプランでもあったため、新プランにリニューアルしたうえでの再登場も期待されます。

ちなみに海外のYouTubeプレミアムはどの国が安い?

今回、記事執筆に当たってはG10加盟国など経済規模が大きな国のYouTubeプレミアム料金を中心に調べました。しかしそれ以外の国でも、もちろんYouTubeプレミアムは提供されています。せっかくの機会なので、最後に「料金が安い国」の例と料金をご紹介します。

ウクライナ
ウクライナのYouTubeプレミアムの料金は99UAH。2024年7月時点だと、約385円になります。

トルコ
トルコのYouTubeプレミアムの料金は57.99TRY。2024年7月時点だと、約280円になります。

アルゼンチン
アルゼンチンのYouTubeプレミアムの料金は869ARS。2024年7月時点だと、約150円になります。

VPNを利用して海外版のYouTubeに加入する人が、国内でも海外でも後を絶たなかったのが理解できる価格帯ではないでしょうか。逆に言えば「YouTubeプレミアムは高い」と感じている方が多いことを裏付けているようにも思えます。YouTube Music Premiumが要らないから、もっとプランを安くしてほしい!と感じている方がやはり多いのではないでしょうか。

とはいえVPNを利用した居住国以外の国のYouTubeプレミアム加入は禁止されており、発覚した場合に会員資格の取り消しの対象になるためご注意くださいね。

※サムネイル画像(Image:Muhammad Alimaki / Shutterstock.com)

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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