【最近気になる注目ワード・48】同じ日本国内でも、関東と関西では異なる文化がいくつかある。実は銭湯も、関東と関西では全く趣が異なることをご存知だろうか。どのような違いがあるのか、詳しく見ていこう。

えっ!? 「壁の絵の下で入浴」は関東の銭湯だけ? 実は全然違う関東と関西の銭湯事情
(画像=銭湯の違いは文化の違い(画像はイメージ),『BCN+R』より 引用)

その土地ならではの味わいがある銭湯

 まず、銭湯のイメージを思い浮かべてみてほしい。壁に富士山が描かれ、その下で湯船につかるという光景を思い浮かべた方は、恐らく関東出身ではないだろうか。関東と関西では、銭湯の構造からして大きく違うのだ。

 まず、一番の違いは湯船の位置。関東では浴室の奥、壁際に湯船があるケースが多いが、関西では浴室の中央にある。そして、湯船を囲むようにして洗い場がある形が多いという。

 理由は諸説あるが、一説では肉体労働者が多かった関東では先に体を洗うため、洗い場が手前に。商人が多かった関西では、掛け湯だけして湯船に先に入るため、湯船が中央にあるというものだ。

ペンキ絵の発祥は千代田区にあった「キカイ湯」

 また、壁に描かれたペンキ絵は東京が発祥。そのため、関西を含めて関東以外の銭湯では、タイル貼りであったり、絵があってもタイル絵だったりというケースが多いという。

 ちなみに壁に描かれる絵に富士山が多いのは、最初にペンキ絵が描かれた「キカイ湯」の影響だそうだ。「キカイ湯」は千代田区にあった銭湯で、施設を増設する際に「子どもたちに喜んで湯船に入ってほしい」と願ってペンキ絵を発案。依頼を受けた洋画家が、生まれ故郷の富士山を描いたのがきっかけとなった。

 同じ富士山の絵であっても、富士山を眺める視点にはいくつかのパターンがある。人気があるのは「西伊豆」「三保の松原」「富士五湖」など。富士山を眺めている場所が違うから、当然一緒に描かれている風景も違う。よくよく眺めてみれば、その土地ならではの風景が描かれていて、湯船に浸かりながら旅をしている気分に浸れそうだ。

 徐々に数を減らしている銭湯。久しぶりに銭湯を訪れて、その地域の特徴を探してみるのも面白いかもしれない。(フリーライター・井原亘)

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■Profile
井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている

提供元・BCN+R

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