認証問題は現場と経営に原因があると表明。トヨタは信頼回復に動く
トヨタ自動車は7月31日、国土交通省から適切な認証業務に向けての抜本的な改革を促す是正命令を受けたと発表。同時に2024年6月3日に届け出た案件に加え、国土交通省による実地調査の結果、規定の手順に沿っていない認証案件7車種8事案あったと公表した。
トヨタは一連の認証問題の原因が、現場と経営の両面にあったと把握しており、具体的な要因を4点挙げている。
１：現場における原因
・認証申請に必要な書類を作成する際の社内の運用ルールが不明確
・認証業務における必要なリソーセスの明確化と管理が不十分
・認証業務における重要性に対する認識が不足
２：経営面における原因
・経営／幹部の認証業務全体における理解と関与が不十分
そのうえで正しい認証業務を実施するための仕組み・体制を見直すとともに、認証プロセスの責任と権限をあらためて明確化。正確なデータ管理などの基盤整備を進めていく方針を表明した。トヨタは再発防止策を速やかにまとめ、国土交通省に報告する予定である。
またTGP自主研を通じて、中長期的な仕組み・風土づくりにも取り組んでいくという。
今回の認証問題は、基準よりもより厳しい条件でテストを実施するなど、「より安全なクルマを作ろう」という、トヨタの積極努力が招いた一面も指摘されている。ユーザーとしては、社内の体制と風土を刷新し、さらに国土交通省とも良好な関係を保ち、世界トップの自動車メーカーとしての責任を果たしてほしいと願っている
ヤリスクロスをはじめ、生産・出荷停止モデルは、順次デリバリースタート
トヨタは、6月3日に発表した事案に加え、7車種8事案の認証問題があったと発表したが、現在いずれも国土交通省の指導のもと、基準適合性を確認中。どの車種もユーザーが使用を止める必要はないと説明している。
6月3日から出荷停止中のカローラ・フィールダー＆アクシオ、ヤリスクロスの国内仕様は、基準適合性の確認が取れたため、9月初旬からの生産再開を予定。ノア＆ヴォクシーも追加事案により7月29日から出荷を停止したが、こちらも基準適合性が確認できたので、準備が出来しだい出荷を再開するという。
現在、生産中のモデルの認証問題対象事案は以下になる。
「カローラ・フィールダー＆アクシオ」／試験年：2015年
・歩行者頭部および脚部保護試験／規定と異なる衝撃角度など
「ヤリスクロス」／試験年：2020年
・積荷移動防止試験／規定と異なるブロックで試験
「RAV4」／試験年：2017年
・積荷移動防止試験／規定と異なるブロックとシートのロック機構で試験
「ノア＆ヴォクシー」／試験年：2021年
・内装の乗員保護試験／量産と異なる部品（ナビディスプレイ）で試験
「ハリアー」／試験年：2022年
・ポール側面衝突試験／量産と異なる部品（前ドア内部ブラケット）で試験
「レクサスLM」／試験年：2023年
・ポール側面衝突＆側突衝突／量産と異なる部品（後ドア内張り）で試験
提供元・CAR and DRIVER
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