数年前、我々の太陽系の外から飛来し、去っていったことで話題になった恒星間天体オウムアムア。葉巻型の形状で内部が熱せられていることから、一部ではこの天体は地球外知的生命体の操る巨大な宇宙船であるという説も存在していた。
後の分析でオウムアムア同様の恒星間天体は過去にも地球に飛来、一部は海に落下していたことが明らかになっている。この研究結果を受けて、「恒星間天体=UFO説」を唱えるハーバード大学の天文学者アヴィ・ローブ氏は「海に落ちた恒星間天体の破片を引き上げることで、UFOや地球外知的生命体の痕跡が確認できるかもしれない」とし、調査チームを率いて実地調査を開始した。
そして今年6月、太平洋のどこかに落下した恒星間天体の破片を探す調査に参加していたローブ氏の調べでは「人間が作った合金と比較して異常な組成を持つ謎の金属球体」を発見したとブログで発表したのである。
ブログで彼は「我々は10個の球体を発見しました。これらはほとんど完全な球体、つまり金属のビー玉です。顕微鏡で見ると、周囲の物体とは全く違っている事が解ります。この物質は以前に見られた全ての宇宙岩石よりも強靭な物質強度を持っています」と説明し、暗に優れた技術を有する知的生命体の手によるものと示唆した。
当然ながらローブ氏の主張は控えめに言っても物議をかもし、現状では発見された金属球に関する彼の論文はまだ査読を受けてもいない。多くの科学者は、球体が本当に隕石から採取されたものなのかどうか疑問視しており、また、金属球の異常と思われる性質に対する彼の拙速な結論を批判する専門家もいた。
そんな中、海外の学術誌にこの金属球を分析した新たな論文が掲載された。論文著者によると、この金属球の分析結果は次の通り。
「ニッケル、ベリリウム、ランタン、ウランの含有量を、既知の人為的な生成物と関連づけて調べたところ、公開されている石炭の化学組成データベースから示唆される石炭灰と一致することがわかった。化学組成分析により、この金属球は発電所や蒸気機関で石炭を燃焼する際に生じる廃棄物であるフライアッシュと一致することが判明しており、隕石起源は否定された」
この論文の内容が正しいとすると、問題の金属球は宇宙から来たものですらないということになる。しかし、自説に固辞するローブ氏が今回の分析結果と解釈に同意するかどうかはまだわからない。ローブ氏からどのような反論が寄せられるのか、今後の展開が気になるところだ。
関連記事:Unexplained Mysteries 【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
文=飯山俊樹(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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