動画は120万回以上再生されており、他のユーザーからは「ありえない」「都市設計家だけど、こんなの誰が許可するの?」「怒りを覚える。この風景は特別だった」「この近辺で働いているけど、本当に腹がたつ。指摘してくれてありがとう」「この景色を見たいがためにユニオンスクエアから何度も歩いた(涙)」「他のビル同様、何年も空室のままだろう」など怒りや悲しみのコメントが投稿されている。
エンパイアビルを遮っているのは、高さ262メートル(54階建て)の「262 Fifth Avenue」と呼ばれるタワマン。ファイブ・ポインツ社が開発を手掛けるビルには、26戸のコンドミニアムが入る予定と伝えられている。英紙ガーディアンによると、28ストリート以南のエリアは、エンパイアビルが完全に隠された状態だという。
エンパイアビルは観光のメッカであることはもちろん、夜間は様々なライトアップで、イースターや独立記念日、ハロウィン、クリスマスなど重要な記念日を祝うなど、地元住民にとってビーコンのような役割を果たしている。
各種スポーツの優勝チームを祝福したり、震災などの自然災害や戦争などでは、国旗のカラーを灯すことで連帯を示したりすることもある。11月の大統領選当日は、各州の投開票の結果がリアルタイムでビルに映し出される。
ロウアーイーストサイドの住民はガーディアン紙に、ビルが建てられる前は、家のソファからエンパイアビルを眺めることができたと明かし、「ニューヨークのスカイラインが破壊された」と憤りを語っている。高層ビルの建設は、周囲の住宅の販売価格や賃貸価格にも影響を及ぼしそうだ。