香港のアクション映画のスター俳優にして格闘家、その人生が半ば神話と化している人物ブルース・リー。鍛え上げられた肉体と豪快なカンフー、その雄叫びや華麗なヌンチャクさばきなど、その個性的なキャラクターは世界の創作物に多大な影響を及ぼした。
1960年~70年代、白人以外は殆どスポットライトが当たらなかったアメリカ映画界において、東洋人である彼が主演する『燃えよドラゴン』が空前のヒットを飛ばし、アメリカの人種差別に苦しむ人々に衝撃を与えたとも言われている。
格闘家としては、截拳道(ジークンドー)と呼ばれる独自の拳法を生み出し、型に囚われない格闘哲学を抱いていた。これには、彼絵の愛読書であたった剣豪宮本武蔵の『五輪書』の影響も少なからずあったと考えられている。
しかし、そんな絶大な人気を獲得していたさなかの1973年7月20日、彼は32歳という若さでこの世を去ってしまった。それと同時に、彼の死については様々な噂が囁かれるようにもなっていったのである。
公式発表によると、頭痛を訴えた際に服用した鎮痛剤のアレルギー反応により脳が膨らんでしまうという「脳浮腫」が死因とのことであった。しかし、身体に発疹などのアレルギー反応が見られなかったことなどから、別の死因ではないかと疑問視されたのだ。
その一方で、彼の死は実は他殺・暗殺だったのではないかという説まで存在している。彼が亡くなった現場は愛人のペディ・ティン・ペイの部屋であったこと、またブルース・リーが服用した鎮痛剤が元々彼女が処方されていたものであったということから、彼女に疑いの目が向けられたこともあった。
この他、香港における芸能界の裏に絡むマフィアによる暗殺や、彼の世界的活躍を良く思わなかった中国武術家たちによる暗殺など、多くの噂が飛び交うほどに彼の死は関心を集めた。一説には、彼が亡くなるよりも少し前になぜか「死亡説」がメディアに広がっていたということもあったという。
様々な説が交錯する中で、最も奇妙なものは「彼は呪われた家系だった」というものだ。5人兄弟の次男であった彼には、生まれる前に亡くなった長男がいたというのだが、このことを両親は悪霊にとり憑かれた呪いであると考え、男児の魂を盗む霊を混乱させる言い伝えに倣いブルース・リーを女の子の名前で呼んでいたという。
また、彼の息子であるブランドン・リーの事故死も呪いの噂を補強するものとなった。武術家でありかつ注目の人気若手俳優でもあったブルース・リーの長男ブランドン・リーは、1993年に映画『クロウ/飛翔伝説』の撮影中に空砲で撃つはずだった銃に装填されたままであった銃弾を受け28歳の若さで亡くなってしまったのだ。
ブルース・リーの『死亡遊戯』とブランドン・リーの『クロウ』、彼らが撮影途中で亡くなった際の映画はそれぞれが5作品目であり、ともに完成を見ないまま亡くなってしまったのはなんという偶然だろう。
また、この親子二代をまたぐ不気味な死の連鎖は、ブルース・リーが「死亡」という不吉な言葉をタイトル(『死亡遊戯』)に使用したからではないかという説もあったようだ。もしそうであれば、「死亡」という文字を使わなければ、両者の運命は大きく変わっていたのかもしれない。
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【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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