黒田剛監督率いる町田ゼルビアは、今月9日開催の明治安田J1リーグ第3節で、鹿島アントラーズ相手に1-0で勝利。東京ヴェルディの城福浩監督が時間稼ぎと解釈可能な行為に苦言を呈するなど、町田のプレースタイルを巡り議論が白熱する中、日本代表OBの大久保嘉人氏が町田批判に反論している。
町田はJ1初挑戦ながらも、開幕からの3試合で2勝1分。好スタートを切ったが、一方でファウルや時間稼ぎなど一部のプレーが議論の対象に。先月24日のJ1開幕節ガンバ大阪戦でも、日本代表GK谷晃生による遅延行為が物議を醸していた。
また東京Vが町田とライバル関係にあるだけに、城福監督は今月7日の会見で時間稼ぎと解釈可能な行為に言及。「本当に痛いんでしょうけど、過剰に痛がってプレーできない選手が次の瞬間パッと起き上がってプレーするのが頻繁に続くリーグが、向上心のあるリーグだとは思えない。『撲滅できませんか?』と僕が審判に提案しているくらい。僕らは『時間稼ぎをしてるな』と周りから見て思われるようなことは、手段としては選ばない」と毅然とした姿勢を見せている。
周囲から批判を浴びる中でも、徹底的に勝負に拘るスタイルを貫いている町田。鹿島戦では、前半からプレー強度の高さで相手を圧倒していただけに、かつて東京Vでプレーしていた大久保氏からの評価も高い。
大久保氏は、インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月11日配信開始の「やべっちスタジアム」に出演。鹿島戦を振り返ると、「開幕戦もセットプレーからの失点だったし、崩されていない。(今季開幕前までは)J1でどれだけやれるか分からなかったが、チーム全体のプレー強度が高いし、黒田監督のやりたいことを共有していると感じる」と語るなど、開幕から3試合で1失点というデータに着目している。
また同氏は「色々言われているが、勝てば良い。ロングスローも戦術だし、時間稼ぎなんて勝っていればどのチームもやるから。結果を出しているので、まわりは何も言えないと思う」と、町田批判をチクリ。
「気にしないでやってほしい」と町田にエールを送ったほか、「現役時代で町田と対戦していたら、俺ならカッとなって退場する。絶対にはめられる。(町田と対戦する前に)現役引退して良かった」と、自らのジョークで矢部浩之さんらを笑わせている。