キム・ミンテ 写真:Getty Images

 湘南ベルマーレは今月3日開催の明治安田J1リーグ第6節で、東京ヴェルディ相手に1-2と逆転負け。試合後、ゴール裏の一部サポーターが選手に向かって罵声や誹謗中傷を浴びせたことが問題になっているほか、DFキム・ミンテの振る舞いにも注目が集まっている。

 第6節終了時点で1勝2分3敗と開幕ダッシュに失敗し、J2降格圏の18位に沈んでいる湘南。ホーム開催の東京V戦では、15分にFWルキアンのゴールで先制するなど途中まで優位に試合を進めていた。しかし、75分にFW谷口栄斗のゴールで同点に追いつかれると、86分にはFW山見大登にゴールネットを揺らされた。

 すると、ゴール裏に陣取っていた一部サポーターの不満が爆発。試合後、挨拶に来た選手たちに向かって「ふざけるな!」などと罵声を浴びせたほか、誹謗中傷と解釈可能な言葉も。キム・ミンテが身振り手振りを交えながら怒りをあらわにするなど、選手とサポーターの口論に発展している。

 その時の様子は、X(旧ツイッター)で瞬く間に拡散。「選手に対するリスペクトがない」「選手に対して、その発言はあり得ないし、許せない」「誹謗中傷は許せない」といった批判が飛んでいるほか、「Jリーグは治安悪いイメージ強いから、なかなか新規ファンは行きにくい」「ゴール裏のサポーターのイメージが良くない」などと、Jリーグの人気低下を危惧する意見も。「クラブに報告する」といった声も相次いでいる。

 今季から湘南の主将を務めているキム・ミンテは、過去にベガルタ仙台、北海道コンサドーレ札幌、名古屋グランパス、鹿島アントラーズと4クラブでプレー。今季で来日10年目と日本での生活が長いだけに「キム・ミンテは日本語分かるから、余計に辛いだろうな…」と同選手の心中を察するファン・サポーターもいる。

 ピッチ内外問わず、誹謗中傷や差別的発言の問題に悩まされているJリーグ。先月には、大宮アルディージャがJ3第4節の奈良クラブ戦でピッチに向けて中指を立てたサポーター1名に無期限入場禁止処分を科しただけに、今回の件でも一部サポーターに対する厳罰が求められる。