裁判で判決が下されると、敗訴者から不満が噴出しがちだ。それが「不当判決」に対する抗議活動を引き起こすこともある。その代表例がデモや座り込み、署名活動などだ。一方、抗議活動が過激化すると、裁判所を襲撃する犯罪行為へと発展する。
2024年には、インドネシアで起こった裁判所襲撃事件を撮影した動画が海外の動画共有サイト「TheWorldWatch」に投稿された。2012年2月7日に撮影された動画だが、ネット上で公開されたのは2017年だ。これが2024年に再び動画共有サイトなどに投稿されて話題となっている。
動画には、東ジャワ州マドゥラ島スメネプ県にあるスメネプ地方裁判所で怒鳴っている男性の姿が映っている。この男性はムハンマド・アミンさん(当時55)だ。他にも、ヘビを手に持った男性もいる。その後、アミンさんは袋を持って裁判所の建物内に入り、袋の中身をぶちまけた。床に出てきたのは何匹もの毒ヘビだ。アミンさんに蹴飛された毒ヘビは四方八方に散らばった。その場にいた人々は逃げ惑い、パニックに陥ったのだった。
2012年当時の報道によると、アミンさんはスメネプ摂政政府と土地をめぐって法廷で争い、スメネプ地方裁判所の判決に不服があったという。アミンさんはスメネプ摂政政府に対し、自分が所有する土地を小学校が占拠していたと主張し、そのことに対する補償金を支払うよう求めていた。裁判所は、原告のアミンさんや彼の弁護士が出席していないにもかかわらず、アミンさんの請求を棄却する判決を下したとされる。
アミンさんが動画内で掲げていたのは判決文のコピーで、「下流階級は不当に扱われ、上流階級は法の影響を受けず、不公平を見ても沈黙する。正義はどこにあるのか?」と叫んでいた。ヘビを放ったのは、スメネプ地方裁判所には「駆除すべき『ネズミ』がたくさんいる」ので、「ネズミ」を駆除するのが目的だったと主張する。この「ネズミ」は裁判官らのことを意味する。アミンさんは警察に連行され、毒ヘビは犯行の証拠として捕獲された。裁判所職員が負傷したという報告はない。
アミンさんは判決に不服があるなら控訴すべきだったが、そうせずに裁判所で毒ヘビを放つという暴挙に出た。司法に対する冒涜であり、許されざる蛮行といえるだろう。同様の事件が二度と起こらないことを願うばかりだ。
参考:「Coconuts」、「TribunNews.com」、ほか
文=標葉実則
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提供元・TOCANA
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