学生に有利な売り手市場が続く、近年の新卒採用市場。企業はただ学生が応募してくるのを待っているだけでは採用がうまくいかないため、さまざまな手段を講じてなんとか優秀な学生を確保しようと努めている。SNS就活という言葉も一般的になり、LINEで採用担当者とやり取りができたり、インスタグラムなどの企業アカウントを就活専門で立ち上げたりと、10年前とは随分さまがわりしている。そこで今回は2025年卒予定の就活生を対象にした、SNS就活実態調査の結果を紹介しよう。
働く人の雰囲気を知るためには、ビジュアルで確認するのが近道か
SNS採用マーケティング「エアリク」を運営するリソースクリエイションは、就職活動中の学生575名を対象に、SNS就活についての実態調査を実施した。まず「選考に進むうえで、何を最重要視しますか?」という質問に対し、「会社の雰囲気」と答えた人が63.3%と最多に。求人媒体や公式ウェブサイトでは伝わりにくい、一緒に働く人々がどんな雰囲気なのかを知りたいようだ。
その結果、SNSが会社の雰囲気を知るのに最も適していると考えているようで、「企業のSNSアカウントは必要だと思いますか?」という質問に対し、89%が「必要だ」と回答。手軽にほしい情報を入手できるSNSは、学生にとって企業理解が深まり、信頼感を高めるために必要だと考えているといえる。
また、「SNSで社名を検索しましたか?」という質問には、85.4%が「検索をした」と回答。その内訳はインスタグラム69.9%、TikTok42.4%、YouTube15.7%となり、文字ではなく視覚情報を欲していることがわかる。
SNSが学生エントリーを増やす!?もはや新卒採用に欠かせないツール
企業のSNSは、学生らの入社意欲にどのような影響を及ぼすのだろうか。「就職活動中、企業アカウントを見て入社意欲はどのように変化しましたか?」という質問に、「増した」と答えた人は88%と最多に。「変わらない」が11.7%、「減った」が0.3%と、SNSでありのままの社風がわかることで、より安心して内定承諾の返事ができるということかもしれない。
さらに、「SNSがきっかけで企業の選考を受けたことがありますか?」という質問に対しては、約半数が「ある」と回答。企業の採用担当者は求人メディアに出稿したり、イベントに顔を出したり、インターンシップを企画したりとさまざまな手段で就活生に興味を持ってもらおうとしているが、SNSの運用もまた、エントリー数を増やす手段になっているよう。企業のSNSアカウントはもはや「採用するために欠かせないツール」になっているといえる。企業のSNSは、炎上のリスクを嫌って「利用しない」という判断を下している企業もあるかもしれないが、よりよい人材確保のためにリスクを取る必要があるかもしれない。
出典元:【株式会社リソースクリエイション】
※サムネイル画像(Image:rafapress / Shutterstock.com)
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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