捜索令状には、トルコ政府またはトルコ国籍者が、他人を通じてアダムス陣営に資金を提供したかどうかについて調べを進めていることが示されていた。さらに、アダムス陣営が使用した市のマッチング・ファンドプログラムにも言及があったという。
同プログラムは、一定条件の下、一般市民から受けた少額寄付について、ニューヨーク市選挙資金基金から数倍にあたる資金が候補者に提供される仕組みで、市民の参加を促進するとともに、候補者が裕福な寄付者に頼らずに資金を賄うことを促進する取り組み。
KSKコンストラクションとは
ポリティコによると、2021年の市長選では同社の従業員とされる11人が、同年5月の同じ日に1,200ドル~1,500ドルの寄付をしていた。アダムス陣営はそこからマッチングファンド18,000ドルを得る資格を得ていた。このうち10人は過去に政治運動に寄付した経歴がなく、もう1人、同社のオーナーのみが2009年に元ブルックリン区長マーティ・マーコウィッツ氏の選挙運動に1,000ドル寄付した記録があった。
ブルックリンに本社置く同社は、2000年台後半に始まったコンドミニアム建設ブームに積極的に参加し、2006年から2011年にこの地域で十数件のプロジェクトを手がけた。最近のプロジェクトでは、マンハッタンで2019年に完成した25階建ての高級コンドを建設していた。同ビルの建設中、7.5トンのクレーンのおもりが落下し、建設作業員が死亡する事故があった。遺族は2021年に同社を訴えている。
同社は、ジュリアーニ政権とブルームバーグ政権時代にハイラインの一部やハーレムの橋の建設などの都市プロジェクトの契約を勝ち取った建設会社キスカの従業員らによって創設された。キスカの幹部は2000年代、市運輸局の職員2人を有罪判決に導いた汚職事件をめぐって逮捕されたことがあった。