黒田剛監督率いる町田ゼルビアは、今月9日開催の明治安田J1リーグ第3節で、鹿島アントラーズ相手に1-0で勝利。MFバスケス・バイロンの“自滅タックル”や時間稼ぎに注目が集まる中、同クラブのプレースタイルに海外メディアも熱視線を送っている。
昨年にクラブ史上初となるJ2優勝、J1昇格を成し遂げた町田。以前からファウルや時間稼ぎなど一部のプレーで話題を呼ぶ中、先月24日開催のJ1開幕節ガンバ大阪戦でも日本代表GK谷晃生による遅延行為が物議を醸していた。
それでも第2節の名古屋グランパス戦でJ1初白星を挙げると、ホーム開催の鹿島戦では前半からプレー強度の高さで相手を圧倒。13分にFW平河悠が先制ゴールを奪うと、その後は球際の攻防における勝負強さやファウルで守備陣が奮闘。19分にバイロンがMF仲間隼斗に対してスライディングタックルを仕掛けた際に負傷し、途中交代を余儀なくされるなどアクシデントもあったが、勝ち点3を掴んでいる。
ネット上で鹿島戦の試合内容を評価する声も挙がる中、ブラジルメディア『グローボ』は「町田はみんなに嫌われている?」と見出しを打つと、「J1初昇格の町田は“結果重視のプレースタイル”のせいで、他クラブのファン・サポーターから共感を得られていない。日本のファン・サポーターは、一般的に相手選手へのタックルや遅延行為などを嫌うが、それでも好調な滑り出しを見せている」と同クラブのプレースタイルに着目。
鹿島戦の内容について「1-0の僅差でホームゲーム初勝利を挙げたが、明らかに町田優位だった。鹿島のチャンスは少なく、カウンター攻撃で勝負する町田の方が危険だった」と綴るとともに、パリ五輪世代のFW藤尾翔太と平河が活躍したこともあわせて伝えている。
鹿島戦では特段目立たなかったが、時間稼ぎと解釈可能な行為については、東京ヴェルディの城福浩監督が否定的な見解を披露。今月7日の記者会見で「本当に痛いんでしょうけど、過剰に痛がってプレーできない選手が次の瞬間パッと起き上がってプレーするのが頻繁に続くリーグが、向上心のあるリーグだとは思えない。『撲滅できませんか?』と僕が審判に提案しているくらい」と語っていた。町田のスタイルを巡る議論は今後も続きそうだ。