U23韓国代表 写真:Getty Images

 U23韓国代表は今月25日に行われたAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選の準々決勝で、U23インドネシア代表に敗北。U23日本代表がベスト4入りを果たしただけに、韓国メディアは日韓戦での勝利による影響に指摘している。

 韓国はグループBで2戦2勝と、グループステージ突破を決めていた中、グループステージ最終節で日本と激突。日韓戦前にグループAでカタールが首位通過を決めていただけに、両国ともにグループA2位インドネシアとの対戦を目標とする中、韓国がセットプレーでのワンチャンスから決勝ゴールを奪取。目論見通り開催国カタールとの対戦を回避すると、韓国のテレビ局『YTN』は「韓国は永遠のライバルである日本を下した。我々の自尊心で掴んだ勝利だ」と報じるなど、日本をライバル視する論調により自国のサッカーファンを煽っていた。

 しかし、インドネシア戦では15分に先制ゴールを許すと、70分にFWイ・ヨンジュンが一発退場。終盤に追いつき、延長戦を無失点で凌いだが、PK戦で10-11と敗北。五輪連続出場記録が9でストップし、韓国国内では代表チームへの批判が相次いでいる。

 韓国メディア『ベストイレブン』は26日、日本の論調を踏まえた上で「韓国は日韓戦での勝利で浮かれた。お祭り気分だったが、インドネシア戦後に本当の姿になった」とリポート。

 「40年ぶりに五輪出場を逃したのは、何にも言い切れない最悪の屈辱だ。スコア上では激戦のように見えるが、試合内容は良くなかった」と、自国代表チームの戦いぶりをバッサリと切り捨てている。

 なお、日韓戦の位置づけについては、北京五輪の日本代表メンバーである大久保嘉人氏がインターネット動画配信サービス『DAZN』で今月22日配信開始の「やべっちスタジアム」に出演した際、「日本側からすると、(日韓戦を)意識していない。他の国と戦うのと同じ」とコメント。

 U23日本代表FW藤尾翔太(町田ゼルビア)は韓国戦前に、日本サッカー協会(JFA)広報のインタビューで「UAEや中国とは違って、独特な雰囲気はある。試合前はそう感じるが、試合が始まればいつもの(他の)試合と変わらないので、あまりやりづらさはない」と語っていた。

 パリ五輪本大会出場権獲得、U23アジア杯優勝を目標とする中、韓国戦への過剰な意識が無かった日本。一試合の勝敗で左右されないメンタリティーの重要性が再確認された格好だ。