アイントラハト・フランクフルト所属の元日本代表MF長谷部誠は、すでに今季限りでの現役引退を表明。今月18日に現役ラストマッチ(ブンデスリーガ最終節RBライプツィヒ戦)を控える中、興國高校(大阪)監督時代にFW古橋亨梧(セルティック)らを輩出した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター)が長谷部の指導者キャリアに関する自身の思いを述べた。
内野氏は今月13日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「長谷部が引退後、どのような形で日本サッカー界へ貢献できるか」という観点から、「とにかく帰って来ないでほしいですね。日本に」と切り出すと、「日本人であることは揺るぎないので、とにかくドイツで指導者の勉強をして、ブンデスリーガで監督をやってほしい」と熱望。
ボルシア・ドルトムントやMF遠藤航所属リバプールなどでタイトル獲得の実績を持つユルゲン・クロップ監督を例に出すと、「クロップのように、欧州を転々とするような、どんどん引き抜かれていくような初の日本人監督になった後に、FIFAワールドカップの日本代表監督になってほしい」と、将来的な日本代表監督就任も期待している。
また、内野氏は引退直後に日本へ戻るデメリットも解説。「日本に帰って来ると、結局日本の知識になる。欧州で結果を残した後に日本へ帰って来て、日本のライセンス制度や指導者講習など、選手だけでなく指導者の部分も育ててほしい。そのために、10年くらいは欧州の最前線で戦ってほしい」と語ると、欧州におけるアジア人指導者の立ち位置について以下のように述べた。
「選手としては『アジアも結構やるじゃん』となっていると思うが、指導者としては『全然だよね』と、ちょっと差別的に見られていると思う」と私見を披露。長谷部について「ひとりの選手として完全に地位を確立していて、すごく認められている存在」と評した上で、「長谷部さんならば、ドイツにおいては、絶対にアジア人ということによる偏見がないと。みんな言うことを聞くと思う」
ボルフスブルク、ニュルンベルク、フランクフルトとブンデスリーガ3クラブでプレーし、2021/22シーズンにUEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝を成し遂げた長谷部。ドイツ国内で絶大な支持を得ているだけに、指導者として成功を収める姿が容易に想像できる。