リゾート地のシニア求人の職種でもっとも多かった「販売・飲食・接客・サービス」は、シニア求人でも2番目に割合の高い21.1%となっていますが、シニア求人全体でもっとも多い職種は34.7%と10ポイント以上の差をつけた「医療・介護・福祉」でした。「医療・介護・福祉」は、リゾート地のシニア求人では4番目に多い4.7%に過ぎず、やはり、特徴的な傾向が現れていると言えます。

エリアの中で「北海道・東北」のリゾート地のシニア求人が多い背景には、5月に観光関連職種の内定者の傾向調査結果を公開した際(※1)、2024年3月〜4月の観光業関連の内定者はすべて東日本在住であったことについてのものと同様の仮説が成り立つと思われます。シニアジョブでは、大阪万博の影響で若い人材が西日本方面に集中し、採用しにくくなったことで、東日本ではシニア人材の内定があったとの仮説を立てましたが、今回の調査でも「北海道・東北」は首都圏からの交通路も含めて万博の影響が少ないため、リゾート地でのシニアの求人が増えていると考えています。

リゾート地の求人であっても、単に場所がリゾート地であるだけで観光業に関係のない事業・仕事の求人や、観光客が対象になるサービスであっても医療などの観光業ではない事業の求人もありますが、データ上ではやはり、直接観光客に接するホテル・旅館の調理、ホール、客室係、フロントなどの求人が多いことがわかります。

リゾート地のシニア向け求人の雇用形態は、正社員求人がもっとも多く、次いでパート・アルバイトの求人が多く、この2つでリゾート地のシニア向け求人の87.7%と大半を占めています。これは、観光業ではそもそも定年がなく、能力と体力があればずっと正社員として働き続けられる職場が多いことで契約社員の雇用形態が少なく、正社員でなければパート・アルバイトの雇用形態になることが影響しているのではないかと思われます。