どこにいるか?こそ重要

人間は環境の生き物と言われるが、正しくその通りで個人レベルでやる気を出すぞという意気込みはほぼ無意味である。それよりも自分がいる場所、つまり環境を変える方が確実かつスピーディーに人生は変わる。

たとえば勉強を真面目にしない学生も、周囲が熱心に勉強に集中する場を与えれば触発されて本人も必死になる。また、そのように熱心に勉強をするような環境にいれば、必然的に進学に有利な学習戦略や情報共有がなされる。友達同士でも進学をする上で役に立つナレッジシェアリングが促進されるだろう。自分が立っている場所は想像以上に人生を変える力があるのだ。

筆者は必要に応じて住む場所を変えてきた。生まれてから会社員をやめるまでずっと都会にしか住んだことがなかったが、起業して熊本県に移住した。それがとてもよかった。自分が住んでいる場所は牧歌的で、周囲は農家や酪農家、鶏卵業者といった第一次産業が多く、自分がやっている仕事のライバルがいない。

その結果、周囲の人間と自分を比べて落ち込むといった余計な他者比較をせず、自分のビジネスに集中できる。人によって有効な環境は様々であり、中には強力なライバルを周囲におくことで、切磋琢磨する環境でこそ頑張れるという人もいるだろう。だが、筆者のように生粋の一匹狼タイプは誰もいない静かな環境が一番集中できる。ライバルや競争を意識しすぎると、相手から着想を得たり、より努力しようという気概よりも思考のノイズやマインドシェアを専有される結果になることが多かった。だから自分にとっては誰もいない静かな環境が一番理想的なのだ。

人生を変えたければまず住む場所を変えればいい。そうすれば必然的に付き合う人も変わるし、仕事も食事など何もかも変わる。もちろん悪い方に変わるのはデメリットではあるが、こと収入に不満足というならまず変えるべきは住む場所で間違いないだろう。

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