戦争は大義と引け際ほど難しいものはありません。大義の基本は国土防衛です。ロシアの最大の懸念はウクライナがより欧州寄りになり、将来NATOに加盟するなら国境を接することになり、かつての東欧のような緩衝地帯が無くなることが最大のリスクと捉えています。戦争当事者は盲目のようなデスマッチに陥りやすいものです。日本もそうでした。

プーチンが負ける日はプーチンが死んだ時以外に考えられません。北朝鮮がそうであるように完全独裁で全ての権力を握りしめています。それはロシアという国がそもそもそういう成り立ちであって国民は民主主義そのものを理解できないし、独裁政権下の民が不幸か、と言えばその価値判断は西側標準であって彼らは西側のスタイルを必ずしも必要としないこともあるのです。

西側諸国が武器を供与しにくくなった時、戦争終結に向けた外交が動く時だと思います。様々な解決方法があるでしょう。ビジネス的に東部ウクライナをかつての東欧のような緩衝地帯として独立させ、ロシアは実質的に緩衝地帯に将来干渉できる代償として巨額の戦後補償金をウクライナに払う案は無いとは言えないでしょう。ただ、その場合、ウクライナが再び不正の温床になりやすいことから第三国なり、欧州がその資金管理ないし監査をするという条件をつけるべきでしょう。

戦争はそもそもご免ですが、長期戦になった国はアフガンでもイランでも荒廃が進みます。欧州の穀倉地帯に安どの日を早く回復することが我々の使命ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年11月29日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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