このハミルトン・ブラウンについて、一部の研究者は、その事実に疑問があるといっている。少し矛盾があるとか証拠がないというわけである。

ただし、奴隷主が奴隷女性に子どもを産ませた場合には、完全な形で記録が残らないのは普通のことで、カマラの父が自分の先祖について、そう聞いていると執筆している以上は、それを不確かな事実として報道などしないのはおかしなことだろう。

しかし、このあたりは微妙なのだ。米国の黒人の主流は、ナイジェリアあたりから奴隷として連れてこられ、南部で働いていたが、しばしば奴隷主は所有する奴隷の女性を愛人にして子どもを産ませ、その子孫である。

それに対して、オバマの場合は、白人の女性とケニアからの留学生とのハーフだ。見た目もナイジェリア系と全く違う。

そのことがオバマを黒人の有権者からは少し距離を持たれ、逆に白人からは、「黒人らしくない黒人」として評価されたということもあった。