古のネットスラングである「ぬるぽ」と「ガッ」。2ちゃんねる用語で、誰かが掲示板「ぬるぽ」と書き込んだらすぐに「ガッ」と返すというネット文化です。ちなみにぬるぽの元ネタはプログラム言語「Java」のエラーメッセージである「NullPointerException」。
「ぬるぽ」「ガッ」は古い言葉である感は否めず、SNSなどで使う機会はいまはあまりないかもしれません。しかし、たとえばチャットAIに「ぬるぽ」と書き込んだ際に「すみません、質問を理解できませんでした」と言われてしまったり、「ぬるぽとは~~」と本気で意味を解説されてしまうと、ジョークが通じなくて悲しい気もしますよね。
そこで今回は「ぬるぽ」に「ガッ」と返せるAIはどれか検証してみました。検証対象としたのは以下のAIです。
・ChatGPT
・Perplexity
・Gemini
・Claude
・Microsoft Copilot
結論から言えば、ぬるぽにガッと返す確率はおよそ50%。古のネットスラングが通じるAIは意外に少なさそうです。
ChatGPT(GPT4o)
ChatGPTではGPT4oを利用し、新しいチャットを立ち上げていきなり「ぬるぽ」と言っていました。
すると間髪おかず「ガッ」と返信してくれました!「ぬるぽ」と書いたらやはり「ガッ」と返してほしいので、一番期待通りの反応でした。
Gemini(旧:Google Bard)
一方でジョークが通じず、いわゆる「マジレス」が返ってきたチャットAIもあります。その1つが「Gemini」です。Geminiに「ぬるぽ」と書き込んだところ「ぬるぽとは、以下の2つの意味があります。1.プログラミングにおけるエラー」などと、マジレスをされてしまいました……。
内容が間違っていないだけに、「まじめな用途のAIに古のネットスラングをぶつけてごめんね……」という気持ちになりました。ジョークにはジェネレーションギャップもあるものですし、ネットスラングもあるものなので意外と「ジョークを理解して反応を返す」のは難しいものなのかもしれませんね。
Perplexity
ソフトバンクが評価額30億ドルで出資を決め、ソフトバンクユーザーに有料版「Perplexity Pro」を1年間無料提供することで話題のPerplexityも、ぬるぽと入力するとGeminiと同様の「マジレス」が返ってきました。
ただ「ぬるぽ」に対して「ガッ」と返すのではなく、その意味を説明してくれる生成AIの中ではもっとも説明が分かりやすい印象を受けました。Perplexityは「AI検索」を主目的としたAIということもあり、さすがの性能だというのが素直な感想です。
Claude
ChatGPTを越える高性能では?と一部で話題の「Claude」。2024年6月にリリースされたばかりの「Claude 3.5 Sonnet」でも試してみました。結果、Claude 3.5 Sonnetは「ガッ」と返したうえで「必要であれば解説も提供する」というスタンス。ChatGPTとPerplexityの回答の美味しいところ取りと言えるアウトプットでした。
「ガッ」と返してくれたうえで、2行目で「より詳しい説明が必要であれば、お知らせください」と書いてあります。今回検証した中だと、もっとも気の利く答えを返してくれたのはClaude 3.5 Sonnetでした。
Microsoft Copilot
動作に若干の不安定さを感じたのが「Microsoft Copilot(旧:Bing Chat)」です。
Copilotは「創造的に」「バランスよく」「厳密に」の3種類すべてで試しましたが「創造的に」と「厳密に」では「ガッ」と返ってきましたが、「バランスよく」ではなぜか「I apologize, but I don’t understand the meaning of “ぬるぽ.” If there’s anything else I can assist you with, feel free to ask! 」というエラーが返ってきました。
「ぬるぽ」と入力し、「ガッ」と返すのでも「意味を解説する」のでもなくエラーが戻ってきたのはCopilotの「バランスよく」のみでした。3つのモードをバランスよく利用できる点はCopilotの強みで、なおかつ無料で使える点も素晴らしいのですが、他のチャットAIに比べると「アウトプット品質の安定性に欠ける」というのが素直な感想でした。
総じて「ぬるぽ」に「ガッ」と返すことができたのは、ChatGPTとCopilotの一部モード、そしてClaudeのみ。そして「ガッ」と出力したうえで「より詳しい説明が必要であれば、お知らせください」とも書いてくれたのは、Claudeだけでした。
今回の検証結果に基づくと、古のネットスラングを理解したうえでより親切なアウトプットを出してくれるのは「Claude」だと言えそうです。
また「ガッ」と返ってくる確率がおよそ50%程度だったのは、興味深い点です。そのAIが人間のようなジョークも理解した柔軟なやり取りを目的としているか、それとも「意味の解説」などビジネス利用的な用途を目的としているかで、かなりアウトプットが違いそうです。
※サムネイル画像(Image:Robert Way / Shutterstock.com)
文・ オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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