現在世界中で話題になっている1本のTikTok動画がある。こちらはイギリスのどこかで録画されたと思われる映像で、女性が通りを歩いている何の変哲もない光景が捉えられている。
しかし突然、周囲の時が止まったかのように、女性が歩いている途中で動かなくなってしまう。時間にして数秒間だが、女性は両手を少し横に広げてただ立ち尽くした後、再び何事もなかったかのように歩き続ける。
疑わしい点は、カメラがまさに女性が静止したその瞬間にズームしていることで、まるでこうなることを予期していたかのような動きを見せているのだ。
この女性は本当に「時が止まってしまった」のだろうか、それとも単なる機材トラブルや記録ミスか、はたまた巧妙なフェイク動画だったのか。
あらゆる技術的なエラーやフェイクである可能性を除外して、この現象が実際に起こったことだとしたら、「シミュレーション仮説」の証拠となるかもしれない。イーロン・マスク氏も支持しているシミュレーション仮説は、人類が生活しているこの世界はコンピューターシミュレーションで構築されているとする世界観だ。そしてコンピューターシミュレーションであるからこそ、時折このような“バグ”が生じてしまうというのだ。より簡潔に言えば映画『マトリックス』の世界観がそれに近いだろう。
シミュレーション仮説を語る上で外せないのが、米オックスフォード大学の哲学者ニック・ボストロム氏の発案したトリレンマである。次の3つの命題のうち1つが真実だとボストロム氏は主張する。
1、(自分たちの先祖に関する非常に忠実なシミュレーションができる能力を持つ)人類よりも進んだ文明が存在する確率は0に限りなく近い。
2、進化の歴史などをシミュレートすることに興味がある人類よりも進んだ文明が存在する確率は0に限りなく近い。
3、全ての人がシミュレーションの中で生活している可能性は1に限りなく近い。
実業家のイーロン・マスク氏は、2016年に「われわれがベースとなる現実にいる確率は数十億分の1だ」と発言し物議を醸したが、コロンビア大学の天文学者デビッド・キッピング氏によると、トリレンマの1と2が否定されれば、マスク氏は正しいという。
一方、キッピング氏がベイズ確率を用いて計算したところ、われわれがベースとなる現実にいる事後確率とシミュレーション世界にいる事後確率はほぼ同じ、むしろベースとなる現実にいる確率がわずかに高いという結果になったという。ただし、シミュレーションの中に意識ある人間がいるとすると、この確率は劇的に変化するとのことだ。
果たしてわれわれはシミュレーションの世界にいるのか。皆さんも動画を確認して確かめてみてほしい。
参考:「Unexplained Mysteries」「Scientific American」
【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
提供元・TOCANA
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