厚生労働省や中央労働委員会、東京都産業労働局の資料によると(下表)、企業規模が大きくなるにつれて賞与・退職金の支給金額は増えている。
【賞与(令和4年夏季)】
企業規模(人数) | 賞与支給額(円) |
---|---|
5~29人 | 26万4,470円 |
30~99人 | 33万6,960円 |
100~499人 | 44万1,551円 |
500人以上 | 67万3,602円 |
【退職金】
企業規模 | 大卒の退職金 | 高卒の退職金 |
---|---|---|
大企業(令和3年) | 2,230万4,000円 | 2,017万6,000円 |
中小企業(令和2年) | 1,118万9,000円 | 1,031万4,000円 |
大企業にいて、十分な賞与・退職金が当たり前だと思っているのであれば、中小企業に移る前にその考えを一度改めたほうがいいだろう。
デメリット2:マルチタスクや視野の広さが求められる
裁量の大きさや風通しの良さがメリットである一方、同時にいくつものタスクをこなせる能力が求められる。
部署ごとに採用や予算を管理している中小企業も多く、大企業と比較すると業務が増えるケースも少なくない。
たとえば、大企業では経理や人事がそれぞれ業務を担っていたとしても、中小企業は自身の業務と並行し部署内で採用や支出管理を求められる場合もある。
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あなたは大企業と中小企業、どちらに適している?
大企業と中小企業はそれぞれ異なる特徴を持つため、一概にどちらが良いとは言い切れない。
自分が「何を求めるか」「どんな働き方を実現したいか」といった、キャリアの軸を考え、自分に適していると思ったら中小企業への転職に挑戦してみるのも一つの手段と言えるだろう。
文・大里直也(HR専門ライター)
転職やキャリア、人材採用をメインに取材執筆。採用における戦略立案などのコンサルティングも手掛けており、転職ノウハウ・各種転職エージェント、サイトにも精通している。