死後、人間の心や魂はどうなってしまうのか? 古の昔より多くの人々を悩ます問題にヒントをくれるのが、いわゆる臨死体験である。今回は英タブロイド紙「Express」より、不思議な臨死体験を2例ご紹介しよう。
■天使に出会った女性
1958年、米国カリフォルニア。当時6歳のエブリンさんはインフルエンザに感染し、急激に体調を崩した。病状はみるみる悪化し、エブリンさんは奇妙な体験をしたという。
ベッドに寝ていたエブリンさんは自分が宙に浮いたのを感じたという。不思議なことに、医師が自分の体を診察している様子や心配そうに座っている母親の姿が見えた。やがてエブリンさんは天井を越え、別の世界に入った。光り輝く美しい場所だったという。
その場所には一人の若い女性がいた。美しい長い髪に薄いブルーの服を着た女性は優しさと愛に満ち溢れており、エブリンさんは彼女こそ天使に違いないと思ったそうだ。二人は言葉ではなくテレパシーのようなもので会話していたが、エブリンさんが女性の背後の光に吸い込まれそうになると、女性はエブリンさんの腕を押さえてこう告げた。
「あなたの番ではありません。戻りなさい」
だが、エブリンさんは嫌がった。もっと彼女と一緒にいたいと駄々をこねたエブリンさんに、女性は「あなたはいつか、悲しみの中で私の顔を見るでしょう」と言い、不思議なビジョンを見せた。その中でエブリンさんはずっと歳を取っていて、瓦礫だらけの混沌とした場所で、ショック状態の人々の中にいたという。それが何を意味しているのかエブリンさんには分からなかったが、愉快なものではなかった。
気がつくと、エブリンさんは自室のベッドに横たわっていたという。体は重くて気分は悪く、母親に目を向ければ「良かった」とつぶやいて泣いていた。
エブリンさんはあの女性のところに戻りたいと思ったそうだ。
■前世の記憶と自分の未来を見た女性
1963年、当時3歳だったテレサさんはアスピリンの誤飲による過剰摂取で生死の境をさまよった。病院に着いた頃にはすでに意識を失っていたテレサさんだが、彼女の意識は宙に浮かんでおり、医師たちによる治療の様子を見下ろしていたという。一方で、彼女は母親の強い混乱を自分のもののように感じていた。テレサさんは母親の自分に対する大きな愛情に圧倒されたことをよく覚えているという。
そしてテレサさんは前世の記憶を取り戻したという。それによれば母親と姉妹とは前世でも近しい関係にあった。また、彼女は母親の未来をも見た。それは自分が死んだ場合と生還した場合の2パターンあったという。
さらに、テレサさんは自分の未来も見たという。これから彼女が経験する良いことも悪いことも、全てに理由があると示されたそうだ。与えられたビジョンは贈り物のように大切に感じられ、当時まだ3歳という幼さだったが、彼女は大人と同じようにしっかり受け止められたそうだ。
やがてテレサさんは決断を下した。すぐに見下ろしていた自分の体に引っ張られるような感じがして、気がつけば戻っていたという。
エブリンさんもテレサさんも自分が見たものを信じており、その後の人生に大きな影響を与えたと語っている。瓦礫の中にいる自分を見たエブリンさんは、臨床心理士の資格を取り、災害後の人々をケアする仕事に従事しているそうだ。テレサさんも自分の見た未来を人生の役に立ててきたと話す。
臨死体験とは死に瀕したときに脳から与えられる「慰め」という考え方もあるが、二人の不思議なエピソードにはただの慰め以上の不思議な力を感じざるを得ない。エブリンさんの出会った天使やテレサさんの見た前世や未来。我々も死の間際にそれらを見るのかもしれない。
(編集部)
参考:「Express (1, 2)」「NDERF」ほか
※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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