日本は、スポーツくじの歴史が浅い国だ。スポーツ賭博とスポーツくじの違いについて知らない人もいるだろう。
そこで今回は、国内外のスポーツくじの歴史やスポーツ賭博との違いについて説明したい。
日本におけるスポーツくじ
日本のスポーツくじは、サッカーやバスケットボールを対象にしており、「試合結果を予想するタイプ」と、宝くじのように「運まかせで購入するタイプ」がある。
導入されたきっかけは、スポーツ振興のための財源確保だ。収益は、国民がスポーツに親しむための助成や国際競技のための環境整備、クラブチームへの支援金などに利用されている。
スポーツくじの存在は、わが国のスポーツ文化の「現在と未来」をつなぐ役割を果たしているのだ。
海外と日本を比較
海外の状況にも目を向けてみよう。ヨーロッパ各国やアメリカでは、スポーツくじが大衆の娯楽として浸透している。
たとえばイギリスでは、18世紀から多くの人に親しまれており、1968年にはすでに政府公認になっている。
一方、日本では2000年に、サッカーくじ「toto」が販売されたのが最初であり、まだ二十数年の歴史しかない。
スポーツくじは賭博とどう違う?
スポーツくじとスポーツ賭博、これらは何が違うのだろうか。
日本では、原則として金銭をかけて勝敗を予想するスポーツ賭博は違法とされている。ただし、競馬や競輪、宝くじなど、一般的に「公営ギャンブル」と呼ばれるものは法律で認められている。
スポーツくじもこの「公営ギャンブル」に該当するので、違法ではない。
スポーツくじが合法である事実は、収益の一部が国庫納付金として国に納められていることからもわかる。
つまり、スポーツくじとスポーツ賭博の違いは「国が認めているか」または「合法か違法か」だといえる。
スポーツくじは100円から購入できるので、まだ体験したことのない人はこれを機会にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
文・たなべようこ(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
証券会社に10年勤務。主に個人向けの資産運用アドバイスを行う。現在は金融関連資格と自身の投資経験を活かして、金融ライターとして活動中。