歴史ファンなら、何世紀も前に使われた拷問装置をよくご存じだろう。

 これらの胃が痛くなるような戦術は、文書や物語の中だけに存在するのではない。考古学者たちは、そのような残虐行為を受けた不幸な被害者の実際の遺体を発見したのだ。

 2019年、イタリアのミラノの専門家チームが、想像上最悪の死を遂げた男性の骨格を発掘した。

『Journal of Archaeological Science』誌に掲載された研究によると、この犠牲者は17歳から20歳の間に亡くなったという。

 彼の骨を分析したところ、腕と脚に対称的に傷を負っていたことが判明した。IFL Sciencenotesによると、彼のこの怪我が意図的なものであることを示唆している。

 ミラノ大学の研究者らは、この男性が「キャサリン・ホイール」、「ブレーキング・ホイール」、あるいは単に「ホイール」として知られるものを使って拷問された可能性が高いと結論づけた。

 車輪は、悪名高い皇帝コモドゥスの下で古代ローマ人によって最初に使用された処刑方法だった。 『What a Way to Go』の著者ジェフリー・アボットによると、コモドゥスはベンチに縛り付けられた犠牲者の上に鉄のスパイクをちりばめた車輪を転がさせたという。

恐ろしい拷問の果てに…人類史上最悪の死を遂げた男性の骨格を発見?!
(画像=画像は「indy100」より,『TOCANA』より 引用)

 そして、死刑執行人は、最大限の痛みを確保するために、彼らの体にさらに車輪を叩き込む。

 何世紀にもわたって、さまざまな処刑人がこの装置を使ってさまざまなテクニックを試してきた。

 中には、重い木製の車輪を被害者の手足に落として殴打する者もいた。そして、体が十分に折れると、彼らは車輪のスポークに手足を織り込んだり、ロープを使って体を車輪にしっかりと固定したりした。

 その後、刃、火、鞭、赤熱したはさみなどの武器を使ってさらに負傷させた。その後、車輪は棒に取り付けられ、旗のように吊るされたとIFL Scienceは報じている。

 瀕死の犠牲者は、最終的に傷に屈するか、惨めさから解放されるまで、何日も、あるいは何週間もそこにぶら下がっていた。

 このような拷問は、最も凶悪な犯罪で告発された人だけのものだと思うかもしれないが、北イタリア(ミラノ大学が13世紀の男を発見した場所)では、このような極刑がペストを広めた疑いのある人々に適用されという。

「車輪の犠牲者は、彼の同時代人によって異なると考えられていた可能性があり、おそらくこの差別が彼の最終的な有罪判決の原因であったかもしれません。彼は「変人」として、怒った群衆によって、疫病を広める者として犠牲にされたかもしれませんね」と同研究者らは論文に記した。

 さらに法医学的に骨格を調査したところ、頭蓋骨の付け根に異常な骨折があることが判明した。これは、「不器用な斬首」の際に重火器で鋭い衝撃を受けた結果である可能性が高い。

 ミラノのチームの結論が正しければ、中世の北イタリアで、そしておそらく世界で初めて、車輪に拷問された人間の考古学的証拠を発掘したことになる。

 哀れな彼が安らかに眠っていることを願うばかりである。

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文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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