UFO事件の多さではアメリカが他の追随を許さないが、実は情報が出てこないだけでソ連やロシアでは頻繁にUFOが目撃されているともいわれている。特に冷戦期のソ連では数々の奇妙なUFO・宇宙人遭遇事件が起こっている。その中でも「ヴォロネジUFO事件」は特に興味深いものの1つだ。
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※ こちらの記事は2018年4月25日の記事を再掲しています。
SF映画のワンシーンのように、着陸したUFOのハッチから出てきたエイリアンの姿を実際に目撃したなら一生忘れられない思い出になるだろう。まるで映像作品向けにデザインされたキャラクターのような“三つ目”のエイリアンが旧ソ連の街で何度も目撃されていたのだ。
崩壊間近のソ連の街で起きた「ヴォロネジUFO事件」
モスクワから420キロほど南西に下ったところに位置するヴォロネジは事件当時から90万人近い人が住む大都市で、各種の産業が栄えるロシア経済の要となる中核産業都市のひとつだった。
ソ連崩壊が間近に迫った1989年9月27日、このヴォロネジで、まるでSF映画のロケであるかのような鮮烈でショッキングなUFO遭遇事件が起きている――「ヴォロネジUFO事件」だ。
目撃者の証言によると同日午後6時半、ヴォロネジ某所の公園上空に、真紅に輝く横幅14メートル、高さ5.5メートルほどの球体型の“UFO”が出現した。機体は地面から10メートルほどの高度でしばらくホバリングしていて真下の地面の芝生がその風圧で倒れていたという。
しかしこれでは終わらなかった。この公園での出来事の数分後、そのすぐ近くの別の場所でさらに奇妙で衝撃的な光景が繰り広げられたのだ。
サッカーの試合帰りの小学生とその親や関係者たちが公園にほど近いバス停でバスを待っていたところ、このUFOが出現し地面ギリギリまで高度を下げた。そしてまだ浮かんだ状態のまま底部にあるハッチが開き、中から“エイリアン”が出てきたのだ。
その姿がまた実に印象的だ。身長は2.7メートル(9フィート)ほどと背が高く腕も長い。がっしりした胸板の厚い上半身で首はなく、肩からなだらかに出っ張ったような頭を持っている。服装も独特で、銀色のジャンプスーツのような衣類で全身を包み、足はブロンズ色のブーツで身を固めていた。
首がないドーム型の顔をよく見ると、光を放つ目が3つあったことを目撃者たちは語っている。両側にある2つの目は白く光っており、その間にある目は両側の目よりも若干高い位置にあって赤く発光し、まるでレーダーのように回っていたという。
目撃者はまた、エイリアンの胸の部分にCDやDVDのような円盤状の物体があったと報告している。この奇妙な円盤は足元の地面をスキャンしたり、UFOのハッチを閉じるのに使われたように見えたという。
低空で浮いていたUFOだったが、エイリアンが出てきてからは4本の足が伸びてきて芝生の地面に着地した。完全に接地してからは、もう2体の同様の姿をしたエイリアンが出てきたという。またさらにロボットと思われる箱に手足が生えたような姿の物体がエイリアンに従うようにして出てきたということだ。ヴォロネジの街のバス停の前で、まさにSF映画のロケ撮影のようなスペクタクルな出来事が繰り広げられたのである。
息を呑んで、信じられない光景を目の当たりにしていた目撃者たちだったが、どうやらエイリアンたちは付近一帯の土壌を調査しているように見えたという。ロボットのような機体は、詳しい分析をする精密機器のようであった。
辺りの土壌を調査していたエイリアンたちだったが、3人のうちのリーダー格と思われるエイリアンが胸の円盤からビームを放った。これに驚いた目撃者の中の若い男性が思わず声を上げてしまった。
その声に気づいたエイリアンがその若者をにらみつけた。このエイリアンの挙動に残りの目撃者も戦慄。ついには悲鳴をあげる者も出てきて現場は騒然となる。
人々はパニックに陥り、もはや収拾がつかなくなったと思われたところで、なんとエイリアンたちとUFOは忽然と姿を消したのだった。
ビーム銃で撃たれた少年が一時的に消失
しかし話はまだ終わらない。目撃者たちの騒ぎが収まったところで再びUFOと3体のエイリアンが出現したのだ。しかし今回はUFOが空からやってきたのではなく、先ほど消えた時の光景がそのまま再現された形で目の前に現れたという。
エイリアンの1体は陸上競技のリレーのバトンのような30センチほどの円筒を持っていたのだが、それを最も近い距離にいた目撃者の16歳の少年に向けた。円筒の先からはビームが発射されて少年に命中、なんと少年は跡形もなく消えてしまったのだ。
目撃者たちは先ほどよりもさらに騒ぎだしたのだが、エイリアンたちはこれ以上目撃者たちを刺激したくなかったのか、UFOの中へ戻って行った。ハッチが閉まると離陸してゆっくりと上昇してからスピードを上げて飛び去っていったという。UFOが人々の視界から消えると、先ほど消された少年が再び姿を現した。
ヴォロネジのUFOとエイリアンの目撃・遭遇はこの2件だけではなく、9月21日から10月2日にわたって各所で報告されており、国防に関わる問題として政府の情報機関筋も調査に乗り出した。また新聞をはじめ当時の各種メディアもこのUFO着陸事件を報じ、このニュースは世界中に知れ渡ることになる。
科学者チームが現地へ赴いて調査したところ、着陸現場には確かに着陸したUFOの脚の跡があり、機体は10トンもの重量があったことを算出し、また現場には高い濃度の放射性物質が検出されたことが報告されている。
折しもゴルバチョフ時代のソ連においてペレストロイカ(改革)の重要な一環として講じられた情報政策であるグラスノスチ(情報公開)が推進されていたことも、このニュースが広まった大きな要因だ。グラスノスチはソ連の民主化に多大な貢献を果たした一方、皮肉にも国家の要職にある人々の不正や汚職なども大々的に暴き、結果的にソ連崩壊を後押しするものにもなった。
この「ヴォロネジUFO事件」は具体的な証拠も少ないため懐疑的な声も少なくないのだが、不特定多数が目撃したUFO事件にありがちな個別の目撃証言の矛盾や食い違いがほとんどないことは注目に値する。そして事件発生から30年が経とうとしている現在、当時の多数の目撃者たちの今の気持ちがどんなものであるのかも気になるところだ。
Mysterious UFO Landing in Voronezh, Russia (1989) – FindingUFO 動画は「FindingUFO」より
参考:「FANDOM」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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