──必要な発言だったんですね。でも、さきほどジェームズさんも指摘していたように問題もあったと。

ジェームズ:基本的には間違ってないんですけど、「戦う覚悟」と言った瞬間に戦争を想定しなければいけなくなってしまうということです。麻生さんは戦争を回避するための言葉だと言っていますが、「戦う覚悟」という過激な表現を使った限りは覚悟だけでいいわけではなくて、戦争になった時にどれだけ犠牲を払って勝つことができるのか、軍事用語で「勝利の理論」というのがあるんですが、その勝利の理論というのを麻生さんは説明していません。これは大きな問題です。勝利の理論を提示できないまま戦う覚悟がありますと言った瞬間にアメリカの謀略にハメられる可能性が高いのです。

──アメリカの謀略!? どういうことですか?

ジェームズ:アメリカは日中戦争を画策していると言ったじゃないですか? そういう中で、日本が先走って「戦う覚悟がある」「持たないといけない」と言ってしまうと、「じゃあ、日本は戦えますよね。アメリカがいなくても1人で戦えますよね?」となってしまう可能性がある、ということです。

──発言を逆手に取られてしまうんですね。

ジェームズ:はい。麻生さんにはそのつもりはなかったと思いますが、ウクライナ・モデルが麻生さんの発言でますます台湾で適用される確率が高くなったということです。

──じゃあ、大失言だったということじゃないですか!

ジェームズ:いや、日本の政治家として発言には問題ありません。しかし、プラス・アルファとして日本が戦った場合、どう勝つか? 勝利の理論を説明しないといけなかったんです。ですから、失言ではなく、切り込み方が浅かった。もっと深く刺して欲しかったですね。

──例えば、どんなふうに言えば、プラス・アルファになったんですか?

ジェームズ:戦略の説明ですね。特に「勝利の理論」つまり、どういう勝利を求めているか? 言い換えれば、どこら辺で引くのかを明確にすべきだったのです。日露戦争の時に日本が勝てたのは勝利の理論があったからです。「ロシア軍を満州から駆逐すること」これがあの時の日本の勝利の理論です。そういうのが決まっていないと、どこまでも戦争は続きます。日本がモスクワを落とすまで日露戦争は終わらなくなりますよ。しかし、日本はあの時、「満州からロシア軍を駆逐する」「そうすれば戦争は終わり」と自ら線を引いたのがよかったんですよ。

──でも、今回麻生さんは「台湾海峡の安定」と言っていますよ。

ジェームズ:もちろん、それは「勝利の理論」と解釈できないことではないかもしれませんが、足りません。日本側が本気で「戦う覚悟」を持ち、しかも米国も参戦させたいのであれば、「台湾海峡の制海権を維持する」と発言するべきでした。世界の制海権は米海軍が握っており、自衛隊の存在意義も「米海軍の制海権維持に貢献すること」になりますから、これは米軍の話になってきます。日本側としてこのような踏み込んだ発言にしないと、「日本単独参戦」のような想定外の事態が起きかねないですね。

──制海権まで言わないと揚げ足を取られると。

ジェームズ:そういう世界ですので。

──ともかく、麻生さんの発言の問題は中国を刺激する云々じゃなくて、アメリカに対する踏み込みが足りなかったと。日本のメディアもそう書くべきだったんでしょうね。

ジェームズ:日本のメディアにそこまでの情報分析はできません。ですので、それはまったく期待していませんが、「中国を刺激するな」「軽率な発言だった」はないでしょうね。台湾有事の本質がまったくわかっていません。そもそも台湾有事は台湾友好とかは関係ないですから。感情的な議論の話ではなくて、日本に必要な物資が届くかどうかなのです。台湾というのは台湾海峡及び台湾周辺のシーレーンという意味で日本にとって死活問題なんですよ。食料とエネルギーが届かなくなるということです。いまの生活水準を維持したいのであれば、あそこは絶対守らないといけない、という、凄い簡単な話なんですよ。台湾をなぜ守らないといけないのか、その本質は、海上輸送の問題です。日本に入ってくる物資はエネルギーにしても食糧にしても台湾の周りを経由して海から日本に届くんです。それをふさがれたら日本はたちまち枯渇してしまいますよ。

──マスコミはそれを平和とか言って、論点ずらしをしてるんですね。

ジェームズ:マスコミの言う日台友好などのロジックが間違っていますね。冷静に軍事の視点で見てください。物資が届くかどうかの問題です。逆に、この視点に立つとアメリカにとって台湾はそこまで重要ではないんですよ。そもそも、LGBT問題やUFO問題にしか関心がない「トンデモ国家」レベルに成り下がった今のアメリカが台湾に派兵すると思いますか? 最初から、腰が引けているんです。その腰を上げさせるために日本はもっと積極的に、台湾問題を刺激していく必要があります。しかし、それは対中ではなく、アメリカを参戦させるための策略としてです。ここを日本人は理解しないといけませんね。

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文=中村カタブツ君

提供元・TOCANA

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