今月10日に北海道コンサドーレ札幌の明治安田J1リーグ2024シーズン・ホーム開幕戦(対浦和レッズ)が開催された札幌ドーム。天然芝のピッチコンディションが酷い中、DFアレクサンダー・ショルツらが負傷交代したこともあり、浦和サポーターからの批判が相次いでいるほか、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコンフィールド北海道(北広島市)との比較も話題に。巨額赤字を受けて湧き起こった“札幌ドーム解体論”に対する札幌市議会議員の反論にも注目が集まっている。
巨大な天然芝の「ホヴァリングサッカーステージ」で有名な札幌ドームだが、浦和戦では一部で土が露出するなど、芝の状態が酷いと話題に。41分にショルツがボールとは関係ない場面で突然座り込むと、右太もも裏を気にしながらピッチを後にする。そして、後半にはFW前田直輝、MF小泉佳穂も問題を抱えて途中交代。
浦和公式サイトによると、ペア・マティアス・ヘグモ監督は試合後の会見で「直輝も佳穂も、柔らかいピッチで筋肉に負担がかかって攣った」とコメント。2選手ともピッチコンディションの影響を受けたことを明かすと、「ショルツはハムストリングに痛みを感じた」と述べたという。
浦和所属選手が相次いでプレー中に問題を抱えただけに、X(旧ツイッター)では「札幌ドーム酷い」「プレーできる環境ではない」「エスコンと大違い」などの批判が。浦和サポーターを名乗るSNSユーザーは、同時期に撮影したという札幌ドームとエスコンフィールドの比較画像をアップ。明らかにエスコンフィールドの方が芝が青いだけに、降雪時期における両スタジアムの芝管理の違いが、議論の対象となっている。
そんな札幌ドームは、日本ハムの本拠地移転により、2023年以降はプロ野球公式戦の開催がゼロ。コンサドーレのホームゲーム開催による使用料金や興行時の売り上げを主な収入源としているが、年間3億円規模の赤字が見込まれている。
また札幌市と道内財界各社が第三セクター方式で出資する『株式会社札幌ドーム』は、年間2億5000万円以上で2~4年間という条件で命名権の公募を実施。しかし公募期限の2月29日17時までに正式な申し込みがなかったとして、期限を延長。巨額の赤字を抱えているだけに、ネット上では「ドーム解体した方が良い」「ドーム維持に血税投入するな」などと、ドーム解体論が噴出。
すると、札幌市議会議員の成田祐樹氏は9日にXを更新。札幌市地図情報サービスの画像をアップすると、「札幌ドームが市街化調整区域に建っているというのを結構知らない人多いです。なので、更地にして違う物を建てろとか妄想している人いますけど、基本全部無理ゲーです」と指摘。
日本ハムのエスコンフィールド移転については、SNSユーザーからのコメントに答える形で「ここが市街化調整区域であるが故に札幌ドームの商用利用には限界があったので、仮に指定管理者になっていたとしても思い通りのボールパークは作れなかったと思います。そういう中で新天地を求めたのは理解出来る所です」と私見を述べた。